アラサーの悩み「クォーターライフ・クライシス」を検索データで読み解く

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20代後半から30代の頃、漠然と感じる不安や焦り。人生の4分の1が過ぎ、思い悩む時期のことを、クオーターライフ・クライシスという。理想と現実のギャップや将来への不安などが原因だとされ、読者にも覚えがあるという方は、きっと少なくないだろう。

ヤフー・データソリューションはそんなクオーターライフ・クライシスをテーマに、25歳から30歳が抱える悩みを検索ワードから分析したレポートを、5月10日に公開した。

まず、40代から50代が陥る危機、ミッドライフ・クライシスとクオーターライフ・クライシスの検索ボリュームの推移を比べると、クォーターライフ・クライシスの検索数はミッドライフ・クライシスに比べ、2021年に大幅に増加し、2022年も引き続き伸長傾向に。同社は理由として、2021年にクォーターライフ・クライシスがPodcastやTwitterで取り上げられることが増え、認知が急速に拡大した可能性をあげた。

さらに、具体的にクォーターライフ・クライシスではどのような不安や焦りを感じるのか、検索データから分類し、カテゴリーごとに特徴的な検索ワードを抽出。すると「やりたい仕事がない」という悩みや「転職すべきか」という迷いに加え、「簿記2級」や「公認会計士」の資格取得を考えている様子が見て取れた。また、アラサーを含む世代らしく「結婚できるか不安」といった検索ワードや、20代、30代の同じ世代の貯金額を気にしている様子も垣間見えた。

QLC= クォーターライフ・クライシス (Quarter Life Crisis)

一方で、「漠然とした不安」「人生 不安しかない」などといったワードも見られ、それらがストレス・プレッシャーとなり、「うつ病」や「不安障害」などの心の病気に繋がっている可能性も示唆された。

また、クォーターライフ・クライシスの人が前向きになるために検索しているキーワードも抽出し、分類。「夢をかなえるゾウ」や「嫌われる勇気」などといった自己啓発に役立つ書籍に加え、「最高の人生の見つけ方」など人生のヒントになりそうな映画を調べていること、「一人旅 おすすめ」や「一人カラオケ」などの検索ワードからは、自分一人だけの時間を過ごしたいと考えていることが分かった。

他にも「隣の芝生は青い」「自分の人生を生きる」などの検索も特徴的で、同社ではクォーターライフ・クライシスの人が「人と比べない」という考えにたどり着きやすいことがうかがえると考察。

多くの場合、人生にはクォーターライフ・クライシスやミッドライフ・クライシスの他に、何度も停滞期がやって来る。そんな時には「自分は自分」だと捉えて、自ら幸せの感度を高めていくことが、つらい時期を乗り切る秘訣なのかもしれない。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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