満足感=持っているもの÷欲しいもの
博士は「より多くを手に入れる」ことを目指すよりも、「より少ないものを欲する」ことを推奨している。というのも、連続的な消費は、際限ない欲求を煽り、その結果、満足感を低下させるからだ。また、「死ぬまでにやりたいことリスト」の逆バージョンとして、自分が努力していることのうち、満足感や幸福のためにはもう必要ないものを書き出すことを提唱している。最後の「意味」は、幸せを構成する要素のうち、おそらく最も捉えどころのないものだ。ブルックス博士は「意味」をどのように定義しているのだろうか。
意味=一貫性+目的+意義
博士の言う一貫性とは、「物事が起きるのには理由がある」と認めることである。これは宗教への入信の誘いではないが、人が持つ信仰や哲学、世界観は、良くも悪くも将来に平安を見いだすために必要な視点を与えてくれるものだと、博士は説いている。ブルックス博士いわく、意義とは「自分の人生は大切だ」という認識であり、「自分が生きているのは何かをするためだ」と確信することで、目的意識が得られる。実は私は、成人して間もない頃に交通事故で死にかけ、この点について悩んだことがある。当時は自分のため以外のことを目的に生きたいとは思っていなかったのだが、自分の人生には目的があるという衝動を受け入れることで、私は初めて安らぎと癒しを得て、やがて人生のあらゆる局面に意味を見いだしたいと強く願うようになった。
最後に、博士が開発した3段階の「学習アルゴリズム」を紹介する。
1. 理解する
2. 応用する
3. 共有する
この記事を公開したことで、私は3つの学習段階をすべてクリアできた。ここまで記事を読んで「なるほど」と思った箇所があれば、ぜひ、この3段階のチェックボックスに印をつけて学びを生かしてみてほしい。
さらに知識を深めるなら、ハーバード・ビジネス・スクールのブルックス博士の講義「Managing Happiness(幸せのマネジメント)」がオンライン公開されている。博士の新著『人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法』もおすすめだ。
(forbes.com 原文)