唯一の疑問は、この数字が最終結果に近いものなのか、それとも通過点にすぎないのかという点だ。実際、今後の上映期間はまだ長く、何度もかき入れどきの週末を迎えることを考えると、2023年の興行収入ランキングトップの有力候補としての地位は、さらに揺るぎないものに見える。
アニメ映画の歴代興行収入ランキングに関しては、フルCGを採用したジョン・ファヴロー監督の2019年版『ライオン・キング』をアニメ映画と考えるかどうかによって、基準値が変わってくる。
『ライオン・キング』を含めるなら、過去最高額は同作品の16億5000万ドル(約2203億円)、含めない場合は『アナと雪の女王2』の14億5000万ドル(約1936億円)となる。個人的な見解を述べるなら、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、両作品に並ぶような興行収入成績をあげるシナリオは見えない。
というわけで今のところは、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の記録は、オープニング興収がアニメ映画としては歴代最高に達したこと、公開直後に2023年作品で累積興行収入がトップに躍り出たこと、そして、2023年の興収ランキングトップの候補になっていることになる。
もちろん、これだけでも決してささやかな成果ではない。本作品のチケット売上高が、最終的には2023年興収ランキングで首位の座をつかむには足りなかったとしても、トップ10入りするのはまず間違いないし、おそらく上位5位にも入るだろう。
ここで1つ指摘しておくと、2023年より前に公開された映画にまでデータ集計範囲を広げると、2023年に入って全世界で最高の興行収入をあげている作品は、『アバター』シリーズの第2作にあたる『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』だ。歴史に残る驚異的な興行収入をあげたこの作品は、2023年1月1日以降だけでも、全世界で9億3500万ドル(約1249億円)を稼いでいる。現時点の2023年興行収入ランキングで、他を引き離したトップの座にある。