任天堂の人気ビデオゲームを映画化したこの作品は、公開第1週から好調な出足を記録。その勢いは第2週も継続され、予想を上回る好成績をあげていた。今や興収10億ドル超えが確実視されており、早くも2023年通年の興行収入ランキングでもトップ作品の最有力候補となっている。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、このゲームのアイテムであるコインのごとく積み上げてきた興行収入は、4月23日の営業時間終了時点で、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の2倍を超えた。
2023年の累積興行収入ランキング(2023年に公開された新作に限る)で次点につけている『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は、一見の価値がある、よくできた娯楽作だが、興行収入は4億7400万ドル(約633億円)と、悪くはないが期待外れの数字にとどまっている。
2023年の興行収入ランキングで、トップ争いの有力候補になりそうな作品はほんのひと握りだ。その例を挙げると、人気シリーズの第10作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』が、5月19日に公開を控えている(日本でも同日公開)。続く5月26日には『リトル・マーメイド』が(日本では6月9日公開)、6月16日にはDCヒーローが大集合する『ザ・フラッシュ』が全米公開される(日本でも同日公開)。さらに年の後半に入ると、11月10日には『マーベルズ』、そして『Aquaman and the Lost Kingdom』がラインアップされている。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』について言えばとてつもない数字を叩き出したこの週末のあとも、さらに10日間ほど、興行収入をほぼ独占できる期間が残っている。この間、観客の関心を奪い合うライバルは比較的小粒の作品が数本あるだけだ。ゆえに、人気ビデオゲームを映画化したこの作品の興行収入は増える一方だろう。
その後は、マーベル・スタジオ制作で、夏の映画シーズンの幕開けを告げる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー :VOLUME 3』が5月3日に公開される(日米同時公開)。そうなれば、こちらの作品が興行収入ランキングを制するだろう。
だが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー :VOLUME 3』が公開されるときまでには、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の興行収入は9億ドル(約1200億円)を優に超え、10億ドルの大台到達というゴールに向けてまっしぐらに進んでいることだろう。