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2023.04.18

セガが「アングリーバード」開発元を買収 モバイルゲーム事業を強化

米ニューヨークの感謝祭パレードに登場した「アングリーバード」の巨大風船(Ilya S. Savenok/Getty Images for Rovio)

セガの親会社セガサミーホールディングスは、人気モバイルゲーム「アングリーバード」の開発元であるフィンランド企業Rovio Entertainment(ロビオ・エンターテインメント)を7億600万ユーロ(約1040億円)で買収する契約を同社と結んだ。両社が17日、発表した。セガはロビオ買収を通じ、モバイルゲーム事業の強化を目指す。

セガは、ロビオの発行済株式とストックオプションの総数を、株式1株当たり9.25ユーロ、1ストックオプション当たり1.48ユーロで取得する。買収額は、ロビオ株式の14日終値から約19%増しとなる。

ロビオの取締役会は買収に賛同。同社株主の49%も同意したという。買収は株主と規制当局の承認を得る必要がある。

セガは、今回の買収により「ロビオ社が保有する高度なモバイルゲームの運営ノウハウを、セガの既存タイトルおよび新規タイトルに活用して行くことで、ポテンシャルの大きなグローバルモバイルゲーム市場において、セガのコンテンツをより多くのユーザーに届けて行く」としている。

セガサミーホールディングスの里見治紀代表取締役社長グループCEOは「成長が著しいグローバルゲーム市場において、特に今後のポテンシャルが大きいモバイルゲームの展開を加速させて行くことはセガにとって長年の悲願」だとコメントしている。

両社が買収交渉を行っていたことは数日前、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道により明らかになっていた。ロビオは今年、イスラエルの同業Playtika Holding(プレイティカ・ホールディング)から8億ドル(約1070億円)以上での買収を提示されていたとされるが、両社の交渉がまとまらなかった理由は不明だ。

2000年代後半から2010年前半にかけて大ヒットした「アングリーバード」シリーズは、ロビオの中核事業となっている。ダウンロード数はモバイルゲームとしては初の10億回に達し、複数の映画やテーマパークもつくられたが、ロビオはその成功を他のゲームで再現できずにいる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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