KEYWORD 01「スタートアップ育成5カ年計画」
岸田文雄政権では22年6月に閣議決定した「骨太の方針2022」にて、新しい資本主義に向けた重点投資分野のひとつに「スタートアップ育成」を掲げている。同年11月に策定されたのが「スタートアップ育成5ヵ年計画」だ。同計画の冒頭には「スタートアップは、社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現する、まさに『新しい資本主義』の考え方を体現するものである」と記載されている。
KEYWORD 02「インパクトスタートアップ協会」
一般社団法人インパクトスタートアップ協会は、2022年10月設立。発起人・幹事社は、ユニファ、ライフイズテック、READYFOR、ヘラルボニー、五常・アンド・カンパニー、アストロスケール。正会員は23社。「『社会課題の解決』を成長のエンジンと捉え、持続可能な社会の実現を目指す」をパーパスに、知識共有や政策提言、発信等の活動を行う。『Forbes JAPAN』22年9月号の表紙メンバーを中心に設立された。
KEYWORD 03「インパクト投融資残高約3兆8500億円」
「インパクト志向金融宣言」が2023年1月に発表した、署名金融機関38社(うち6社非公開、1社非掲載)によるインパクト投融資残高(22年10月1日時点)は、約3兆8500億円にのぼる。GSG国内諮問委員会による21年度調査における1兆3204億円(20年)から大幅に増加したことがわかる。同委員会の調査は、前年比2.5倍増の大幅増となっており、ここ数年の国内におけるインパクト投資の急速な普及が明らかになった。
KEYWORD 04「レスポンシブルイグジット」
レスポンシブル・イグジットとは、インパクト投資家におけるイグジット目標において、投資家の経済的リターンの獲得と、イグジット後の投資先企業の社会的インパクトの最大化を図る手法。キャピタルメディカ・ベンチャーズは2022年10月、希少疾患を中心に患者・家族向け支援プラットフォームを運営するノックオンザドアの株式をシミックホールディングスへ譲渡した。ノックオンザドアの中・長期アウトカムの早期実現が見込まれる。
[担当者の目]山本智之 Forbes JAPAN 編集次長
『Forbes JAPAN』2022年9月号の表紙を飾った7人のメンバーによる新たな展開が生まれている。「インパクトスタートアップ協会」という団体の設立だ。政府による「スタートアップ育成5カ年計画」における政策提言の成果などスピーディに実績も出し始めている。米『Forbes』とともにコロナ禍以降に提唱している「インクルーシブ・キャピタリズム(包摂的な資本主義)」の主役たちのいまを追った。