市場規模10兆ドルの「グリーン水素」水素革命は産業用車両から始まる

Courtesy of PlugPower

その過程でプラグパワーは、水素とその製造のためのテクノロジーの販売規模を拡大し、売上高が22年の9億ドルから26年には50億ドル、20年代の終わりまでに200億ドルに急増すると予想。同社はまた、他社から水素を購入する立場から、生産・販売する立場に移行することで、23年後半には営業収支を黒字化させ、その後の数年で純利益の黒字化を見込んでいる。プラグパワーは、世界のグリーン水素の市場全体が今後の数年で10兆ドル規模に成長すると予測している。
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現状では水素の大部分は、天然ガスを水蒸気と反応させることで製造されているが、その過程で二酸化炭素(CO2)が放出される。米エネルギー省によると、製鉄、石油精製、農業などの産業用途向けの水素は、世界で年間1億t以上製造されており、そのうち約1000万tが米国向けだが、そのほぼすべてが天然ガスから作られる「Gray Hydrogen(グレー水素)」で、大気汚染を引き起こす。

そんななか期待を集めるのが、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの電力を用いて、水を水素と酸素に分解する「電気分解装置」を用いたテクノロジーだ。マーシュはプラグパワーを、このクリーンな水素のトップメーカーにするだけでなく、専用の輸送タンカーの製造や他社向けの電気分解装置の販売を手がける企業にしたいと考えている。

プラグパワーのグリーン水素プラントは、すべてが順調に進めば25年末には1日500tの燃料を送り出すことになる。テック企業大手アマゾン・ドット・コムは最大21億ドル相当の同社の株式を取得し、年間1万t以上の水素を購入する計画だ。米小売最大手ウォルマートも、倉庫用の燃料電池フォークリフト9500台分の水素の購入を予定している。
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プラグパワーはこれまで、韓国のSKグループが主導した19億ドルの調達ラウンドを含めて、50億ドルを調達し、いくつかの戦略的買収を行っている。

ジョージア、ニューヨーク、テネシー、テキサス、ルイジアナ、カリフォルニアの各州で13の水素精製所を建設中で、ベルギー、フランス、スペイン、ポルトガル、韓国、オーストラリアではパートナー企業とプロジェクトを準備中である。
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文=アラン・オンズマン 写真=フランコ・ボクト 翻訳=上田裕資

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