DAO TOKYOは、DAO(分散型自律組織)領域に特化したカンファレンスだ。22年6月22日に米ニューヨークで開催された「DAO NYC」運営チームの全面支援を受けて、Web3のインキュベーション・プログラムなどを展開する「Fracton Ventures」が主催した。
カンファレンスは10時前後からスタートし、暗号資産保管のソリューションを提供するSAFEのLukas Schorや、DAO向けのガバナンスダッシュボードを開発するTallyのDennison Bertramなど、DAOの世界をリードする第一人者たちが「DAOの意義と役割」「DAOの運営とガバナンス」など10のテーマについて話し合った。
日本では23年4月6日に自民党の「デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム」が「web3ホワイトペーパー(案)」を公表するなど、Web3関連に注目が集まっている。なかでも、DAOはブロックチェーンを基盤にした新たな組織のあり方として注目されている。
とはいえ、Web3やDAOについては「気になるけれど、理解が追いつかない」という声も少なくない。そもそも、DAOにはどのような可能性があるのか。そしてDAOが直面している課題は何か。Fracton Venturesの共同創業者である鈴木雄大、亀井聡彦、赤澤直樹に話を聞いた。
──改めて、DAOとは何か。
赤澤直樹(以下、赤澤):DAOの定義は人や組織によって違いがあるが、人がフラットにつながりあい、ひとつの組織のような形でコラボレーションが進んでいく構造だと捉えている。ブロックチェーン上で実行されるルールを共有し合い、ミッションを中心にグループやコミュニティが組織化される。DAOの「O」は「オーガニゼーション」だが、上意下達の会社組織などとはベクトルが違う。
鈴木雄大(以下、鈴木):DAOはスマートコントラクト(ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み)などの技術がベースになっていて、立ち上がった瞬間から国境を問わず誰でも参加できる。この点は、DAOにおける重要な定義のひとつだ。