クライアント仕事を選んだ理由
秘書時代に経営者の姿勢と言葉に触れた経験は大きく、果敢にリスクを取り、夢を実現していく経営者の凄さを近くで感じていました。私も夢のある大きな仕事で、日本や社会のために役に立ちたいとも考えました。しかし、その頃の私は自分のチームのことで精一杯。どうしたら部下が機嫌よく仕事してくれるか、といったことばかりに視線が向いていて、当時はそんな自分のことを小者だと考えていました。
そんな自分が仮に何千人という大きな組織を率いても、きっと上手くいかない。それならば志の高い経営者の手伝いをしたい、と考えシバジムを立ち上げました。
私がいまの仕事をするのは、経営者のことが好きだから。チャレンジする人が好き、という絶対的な気持ちがあるからです。自分が賛同できる誰かのチャレンジを手伝いたいという思いが、全てと言ってもいい。それが、私がクライアント仕事を選んだ理由であり、続けている原動力です。
「課題」の2文字は使わない
シバジムを設立して20年。メンバーは約20名に増えました。年間約30件のプロジェクトを手掛けていますが、クライアントとの最初の対話は私自身が対応します。一般的なコンサルタントは課題を解決するアプローチをします。しかし、私は課題を解決するという作業ではなく、経営者の悩みや思いを新しい夢や挑戦、または、生きがい、やりがいに昇華してそれらをプロジェクトとして定義することが得意です。
そのために大切にしているのが、クライアントの言葉だけでなく「心の声」を聞くこと。
クライアントが現在に至るまでの道のりを想像しながら、この人はどこで喜び、どこで悔しがるのか、なぜそれを始めようとしたのか、なぜそう思ったのかを聞いていきます。そうすることで、私が事象ではなく源流を知りたがっている人だと相手にも気づいてもらえます。
クライアントであってもプロジェクトメンバーであっても、その人の思考パターン、エンジンの原動力を確認し、そのエンジンをフル回転させることでプロジェクトを大きく膨らませていきます。