キャリア

2023.04.09 11:15

Z世代の「専業主婦」離れ なりたい派の女子学生が10%未満に

大柏 真佑実

Getty Images

共働き世帯が増加する中、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(令和3年)によると、18歳未満の子どもがいる世帯のうち、母親が働いていると答えた割合は75.9%に上った。政府は異次元の少子化対策を掲げ、産み・育てやすい環境づくりに取り組んでいるが、これから社会に出る若者は、将来のライフプランをどのように考えているのだろうか。

新卒向け就職情報サイト「キャリタス就活」を運営するディスコは、今春、大学または大学院を卒業した男女914名を対象に、2 月 20 日~3 月 7 日までに実施したキャリアプラン・ライフプランに関する調査結果を発表した。

将来、希望する世帯スタイルについて尋ねると、男女ともに「二人とも働く(共働き世帯)」の回答が最多で、いずれも7 割強を占めた。一方で、「夫が働き、妻は家庭にいる(専業主婦世帯)」を希望した割合は、男子が 14.6%、女子が 7% という結果に。

女子については、調査開始の2016年卒者では「専業主婦世帯」希望の回答が 2 割近くに上っていたが、その後減少し、今回ついに1割を切った。また、「家庭を持ちたくない(独身世帯)」を希望する割合は、今回15%を占め、2016年卒者(5.7%)から10pt近く増えた。

さらに、将来子どもを持つことへの考えを聞くと、「子どもを持ちたい」と考えている割合は男子が58.8%で、女子(51.1%)を上回った。

子どもができた場合の育児休業取得については、自身が「育休を取得したい」と回答した割合は、女子、男子ともに「取得したい」「どちらかと言えば取得したい」を合わせて9割超に。男子でも約 6 割が自身が「取得したい」と答え、育休取得に積極的な姿勢を持つ人が多いことが分かった。

一方、配偶者に育休を「取得してほしい」と回答した割合は、男子で 70.1%、女子で 61.3%に上り、多くの学生がパートナーに育休取得を望み、夫婦が協力して育児をすることが理想だと考えていることが読み取れる。

就職活動中、企業側からもっと発信してほしいと思った情報については、男女ともに最も多かったのが「残業や休日出勤の実態」(ともに50%超)、次いで「多様な働き方の制度」(ともに40%台前半)、「転勤の実態」(ともに30%超)の順に。学生からは次のような声が寄せられた。

「働き方が具体的に載っている企業は少なかった。選考が進むことで徐々に分かってくるのは少し嫌だと感じていた。初めから情報公開して欲しい」(理系女子) 
「どの企業も年収についてしっかり教えてくれるところはなかった。その質問をしてはいけないかと思い、あまり聞けなかったので、インターネットを見て推測するしかなかった」(文系女子)
「男性の育児休業の取得率は具体的なエピソードも含め、より発信するべきだと思う」(文系男子)
「都合の悪い情報は開示されない印象が強くある。入社後すぐに辞めるのでは結局企業にとってもコストがかさむし、もう少し情報がほしい」(文系女子)

仕事とプライベートの両立やキャリアの自律を重視する傾向にあるZ世代の学生たち。これからの時代、学生が聞きづらくて本当に欲しい情報を上手く発信していける企業が、優秀な新卒人材獲得の戦いにおいてより有利なのかも知れない。

プレスリリース

文=大柏 真佑実

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