テクノロジー

2023.04.12 15:00

アンケート結果にみるサプライチェーンDXの現状

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在庫管理

回答者は、在庫管理におけるDXの取り組みについて、様々な成熟度を報告している。成熟度の観点からは、回答者の大多数がデータとプロセスのデジタル化を進めている。しかし、データやプロセスがテクノロジーの観点からどのように利用されているは様々だ。回答者の91%がデータとプロセスをまとめてデジタル化しているが、予測分析を利用しているのは31%、人工知能を利用しているのは26%に過ぎない。29%の回答者はデータとプロセスをデジタル化していながら、データをより実用的なものにするための高度なテクノロジーは使用していない。データとプロセスのデジタル化、予測分析または人工知能の使用、レコメンデーションに基づく自動化を実施している回答者はわずか6%だ。

輸送

輸送では、DXの成熟度に関しては、他分野とほぼ同じ数字となっている。回答者の88%がデータとプロセスのデジタル化を進めている。最適化のための予測分析(35%)は、人工知能(17%)よりも多く使われている。だが、これらの回答者のうち、データとプロセスのデジタル化を行い、予測分析または人工知能を使用し、レコメンデーションを使った自動化を実施しているのはわずか3%にすぎない。この数字は、最適化と意思決定のための先端技術の使用に関する大きなギャップを示している。

倉庫設備・施設管理

回答者の92%が、倉庫設備/施設管理におけるデータとプロセスのデジタル化を進めているこの数字は、前述したデジタル・サプライチェーン変革のための技術分野のものと一致している。回答者の31%が予測分析を、24%が人工知能を使用して最適化を図っていふ。これらの回答者のうち、6%がデータとプロセスのデジタル化、予測分析または人工知能の使用、そしてレコメンデーションの自動化を行っている。
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DXにつきものの課題として、コンプライアンスと安全性がある。これらの分野では、回答者のモデルの成熟度は低い。コンプライアンス、安全性のどちらも、3分の1近くがDXへの取り組みを実施していないことがわかった。また、約3分の1の回答者は、これらの分野のデータとプロセスのみをデジタル化している。デジタル化されたデータやプロセスを最適化するために予測分析を使用している回答者に比べ、データを最適化するために人工知能を使用している回答者はごくわずだ。

おわりに

APQCの調査は、ロジスティクスにおけるDXについて興味深い見解を示している。現在、回答者は、在庫管理、輸送、倉庫設備/施設管理におけるDXの取り組みに関しては、成熟度モデルの中位に位置している。しかし、これらの回答者は、コンプライアンスと安全性に関してはまだ足りていない。今後は、ロジスティックスにおけるDXへの関心、投資、そして動きが活発になることを期待している。

この記事の著者は、私の同僚であるクリス・クネーンだ。クリスはARCアドバイザリーグループのリサーチディレクター(サプライチェーンマネジメント担当)である。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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