DX成功、Googleのようにテックに精通する企業が増加中

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過去数十年間、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)といった巨大テクノロジー企業は、最新テクノロジーを掌握し、実験、革新、成長の中心となっていた。現在では、比較的安価で信頼できるテクノロジーが広く普及しているため、地元の電力会社、タイヤメーカー、地方銀行などの主要な企業も、Googleと同様にテクノロジーに精通した存在となり得る。デジタル技術で生まれ変わった一般企業の数はまだ少ないが、その数は増え続けている。

Accenture Research(アクセンチュア・リサーチ)が1516社を対象に行った調査によると、少なくとも8%の企業がすでにテクノロジーに精通した企業へと飛躍していることがわかった。これらの企業は、成長と収益においても良い結果を得ていると報告している。DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入は、主要企業が、大手ハイテク企業が長年享受してきたような革新的な能力を確保し、活用できるようになることを意味すると調査の著者は述べている。「デジタルコアの導入により、すべての企業は、これまでデジタルネイティブ企業の領域であった業界や隣接市場において、画期的なイノベーションを生み出すことを目指すことができるようになります」

Accentureのチームは「企業の総合的な改革」戦略を頻繁かつ積極的に推進しているリーディングカンパニーを特定した。このような企業は「強力なデジタルコアは、企業の他のすべての戦略的ニーズにとって基本である」ということを最もよく理解している。改革におけるテクノロジーの役割を強化することは、静的で個々に独立した部わからなる技術環境から、意図的に統合されクラウドを活用した相互運用可能なものへと移行することを意味します」これにはクラウドの採用だけでなく、人工知能やメタバースの活動もある程度含まれる。

改革は、もちろんテクノロジーだけではない。先見性のあるリーダーシップも、デジタルの世界で成功を収めるために不可欠な資質だ。潜在的な障害について尋ねたところ、資金や技術的な要件よりも、文化的な準備と変化への対応能力の欠如が最大の障害となっている。また、人材不足も取り組みの障害になっている。

このようなリーダーは、企業改革の初期段階にある企業に比べて、ビジネスケースの実現に大きな成功を収める可能性が8倍も高い、もしくは高くなる見込みがあることが調査から判明した。また、先進的な企業は後進的な企業に比べ、22%高い収益成長率、21%高いコスト削減率、20%高いバランスシートの改善率を達成していると報告している。

さらに、先進的な企業は、最初の6カ月間で1.6倍の財務数字を達成したと報告している。これは先進的な企業が後進的な企業に比べて、財務数字の向上を達成するスピードが速いことを表している。実際、リーダーの66%は、過去の変革に比べ、改革戦略の実行が著しく速くなっていると回答している。これに対して、後進的な企業で同じことを述べた人たちはわずか10%だった。

また、先進的な企業は、非財務的な成果についても十分に先行している。Accentureの研究者は「短期的な財務状況だけでなく、人々が自ら関わる企業を選択する力をかつてないほど高めている世界で、何が長期的かつ持続可能な価値を生み出すのかを理解しようとしている」と報告している。財務以外の目標を設定することが非常に重要であると答えたリーダーは76%であったのに対し、後進的な企業ではわずか10%であった。このようなリーダーたちは「改革によって顧客や従業員とどのように関わり、より持続可能な成果を上げ、イノベーションへのアプローチを強化できるかをより深く考えることで、優れた成果を上げている」のだ。

forbes.com 原文

翻訳=Akihito Mizukoshi

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