今年に入り各国が相次いで表明したIFV供与は、この軽装甲化傾向に少なくとも歯止めをかけるものとなった。ドイツからのマルダー40台に加え、米国からM2A2ブラッドレー100台以上、スウェーデンからCV90少なくとも50台を受け取る予定だ。M2A2とCV90はいずれも、機関砲に耐えられる防御力を持つ。
だがこの3つの中で、最も防御力が高いのはマルダーかもしれない。ウクライナに供与されるマルダーは、装甲を強化した新型の「1A3」だ。設計と防御力の詳細は公開されていないが、2枚の装甲の間に若干の空間を持たせた「空間装甲」が施されている。この隙間には、弾の貫通力を低減する効果がある。
マルダーは、ウクライナ軍が持つIFVの中で最高の防御力を誇るものになるかもしれない。そのため、今後の反攻作戦を率いる可能性が最も高い精鋭部隊である空中強襲旅団に配備され始めたのも驚きではない。
マルダーは、ロシア軍の陣地に向けて進軍する際、敵軍からの激しい射撃にさらされる可能性がある。それを無限にはねのけることはできないが、BMPよりは長く持つことだろう。
(forbes.com 原文)