北米

2023.04.01

トランプがついに法廷へ 起訴後の手続きはどう進む?

Getty Images

──手錠をかけられるのか?

トランプは自身の逮捕を「見せ物」にしたい考えだと伝えられるが、インサイダーが取材した専門家は、トランプが罪状認否前に公の場で手錠をかけられ連行される可能性は低いとみている。手錠をかけられたトランプの姿を公衆の面前にさらすことで、マンハッタン地区検察のアルビン・ブラッグ検事が政治的理由から自身を標的にしているとするトランプの主張に信ぴょう性が与えられる恐れがあるほか、前大統領に対する警護面の懸念がその理由だ。

──拘置所に勾留されるのか?

トランプは罪状認否後、ただちに釈放されることはほぼ間違いないとみられる。ニューヨーク州では、数年前に成立した法律により保釈要件が緩められ、軽罪や非暴力的な重罪で起訴され、逃走リスクがないとみなされた被告は、保釈金を支払うことなく自己誓約に基づいて釈放されることが可能になった。

──裁判の結果が出るのはいつ?

専門家がロイターに語ったところによると、マンハッタン地区での刑事訴訟は通常、裁判開始までに1年以上かかる。そのため、トランプの裁判開始は、2024年大統領選の選挙期間中、あるいは選挙後になる可能性もある。ロイターは、トランプが大統領に選出されるか大統領に就任した後に裁判にかけられれば、訴訟は未踏の法的領域に入ると指摘している。

──有罪になる?

起訴状が公表されていない時点で推測するのは難しいが、法律の専門家は、検察側が用いるとみられる法理論や、過去に虚偽の証言で有罪判決を受けてトランプに対する恨みも公言しているコーエンを証人として頼るという点、さらに時効にかかわる潜在的な問題などに疑問を投げかけている。

──起訴は2024年大統領選への出馬に影響する?

起訴されても、さらに裁判で有罪になったとしても、それ自体は大統領就任への障害にならない。専門家によると、合衆国憲法には起訴された人物の大統領就任を禁じる条項は存在しない。ただし重罪で有罪判決を受けた場合、トランプは選挙で自身に票を投じることはできなくなる。

──ほかの捜査でも起訴される可能性は?

ある。マンハッタンでの起訴は、別件で捜査を進めているジョージア州検察や司法省による起訴を阻むものではない。ただ、トランプが複数の事件で起訴されることになった場合、法廷手続きに時間がかかり、どの訴訟も2024年の選挙期間中まで長引くおそれがあるとブルームバーグは伝えている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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