北米

2023.04.01

トランプがついに法廷へ 起訴後の手続きはどう進む?

Getty Images

ドナルド・トランプ前米大統領が30日、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズへの「口止め料」支払い疑惑をめぐり、ニューヨーク州マンハッタンの大陪審により起訴された。来週、法廷で罪状認否に臨む見通しだが、拘置所に勾留されたり大統領選に向けた活動の中止を余儀なくされたりすることはなさそうだ。

──トランプは出頭するのか?

米紙ニューヨーク・タイムズはトランプの弁護士スーザン・ネクレスの話として、4月4日に罪状認否のためニューヨーク州最高裁判所に出頭する見通しだと伝えている。

──起訴内容は?

CNNによると「ビジネス詐欺絡み」の30余りの罪で起訴されたもようだ。具体的には、ダニエルズへの口止め料支払いに関連して業務記録を改ざんした罪に問われているとみられる。トランプは元顧問弁護士のマイケル・コーエンが支払った口止め料を自身の会社トランプ・オーガニゼーションを通じて弁済し、それを「法務費用」と偽って記載していたとされる。ニューヨーク州では犯罪隠ぺい目的の財務記録改ざんは重罪に当たる。

──収監される可能性は?

報じられている罪状で有罪になった場合、最長4年の禁錮刑を言い渡される可能性がある。

──起訴状はいつ公開される?

起訴状は、通例どおりなら法廷での罪状認否まで開示されない。ただし、マンハッタン地区の検察官が認めた場合は、それに先立って公開される。

──出頭しなかったらどうなる?

もしトランプが自発的に出頭せず、フロリダ州にある邸宅「マーアラゴ」に居座った場合、州当局による身柄引き渡しが必要になる。身柄引き渡しは、判事またはロン・デサンティス州知事の承認を得る必要がある。デサンティスは2024年の大統領選に向けた共和党の候補指名争いで、トランプの最大のライバルになると目される人物でもある。

──デサンティスが拘束を妨害する可能性は?

デサンティスは身柄引き渡し要請に協力しない意向を30日にツイッターで表明したが、ニュースサイトの「インサイダー」は専門家の話として、デサンティスが身柄引き渡しを遅らせる可能性はあるものの、州知事の承認は形式的な手続きにすぎず、トランプの訴追を完全に阻止することはできないと指摘している。

──拘束後どうなる?

マンハッタン地区検察局で逮捕の手続きがとられるはずだ。その際、トランプは容疑者として指紋を採取され、「マグショット」と呼ばれる人物写真を撮影され、DNAなどの情報も記録される。その後、法廷で罪状認否に臨み、罪を認めるか無罪を主張することになる。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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