デジタルコンテンツの透明性を高めるCAIのコンテンツクレデンシャル機能で、Fireflyで生成された画像であることを示すコンテンツクレデンシャルが自動で添付されるため、誰でもAIによるものだ確認できる。また、クリエイターは自分のコンテンツをAIが学習してほしくない場合は「Do Not Train」というタグを付けるて拒否することもできるなど、アドビはFireflyの提供にあたり、同社の社会的責任を強く意識し、高い透明性を確保するようにしている。
顧客体験管理にもAIの力を
同社の顧客体験管理(CXM)製品であるAdobe Experience CloudにもAI「Adobe Sensei GenAI Services」が搭載される。本サービスは、クリエイティブツールと同様に、マーケティングワークフローのどこからでも利用できるジェネレーティブAIで、複数の大規模言語モデル(LLM)を活用し、マーケティングコピーの作成やチャット、オーディエンスおよびジャーニーの作成などを行ってくれる。ブランドのトーン&マナーを維持したまま生産性と効率性を向上させることができる。
マーケティング用の画像やテキストの作成もしてくれる
またAdobe Experience CloudにもFireflyが搭載され、マーケターが欲しいコンテンツを生成させることができるが、こちらも商業利用してもよいものだ。
Adobe Fireflyは現在、ベータ版が提供中。現在のところ自然な文章による「テキストからの画像生成やその画像へのスタイル適用」と「テキストへのスタイルやテクスチャの適用」を試すことができる。
ベータ版はウェブページでのもので「こんなことができるんだ」といち早く体験することができるが、実際の使用感もまた一般提供を待つ必要がある。
アドビはFireflyを「副操縦士」と呼んでいる。他社のサービスでもAIを副操縦士と位置づけているが、AIはあくまでも機長であるユーザーをサポートしてくれるものだとしている。AIがそれだけでコンテンツをボコボコと生み出すわけではなく、クリエイティブな作業を技術的にも、時間的にもサポートしてくれるものだ。Fireflyは既存のツールに直接搭載されるため、「知らぬ間に使っている」とまではいかないまでも、AIのサポートはきっと非常にスムーズなものであるはずだ。
アドビは「クリエイティブの民主化」を謳っている。今後、誰でも思いどおりの画像や欲しい写真、頭の中にあるテキストなどをAIの力を借りてカタチにすることができるようになるだろう。ただし、何を作りたいかを考え、イメージを膨らませるユーザー自身が最も大切であることには変わりがない。