国内

2023.04.07

「スタートアップの数が足りない」日本の農業のパラダイムシフト

荻野浩輝(左)と中道大輔(右)

荻野:AgVenture Labのアクセラレータプログラムの中にAgnaviというベンチャー企業がいるのですが、ここが「ICHI-GO-CAN」という缶充填サービスで、日本の酒を世界に広げる事業を行っています。1合缶はお洒落なデザインで、広告も入れられます。缶に充填すると輸送も楽で輸出もしやすいんです。そんな風に日本酒の売り方を変えるのもいいかもしれません。

中道:そうですね。そもそも日本人って、売り込みやコミュニケーションがすごく下手なので、僕はそこをサポートできたらいいなと思っています。

荻野:いや、本当に。食とか農の関係で僕らがやりたいと思うことでできていないことはたくさんあります。海外とのコミュニケーションとか売り込みとか特に苦手なので、中道さん助けてください。

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中道:ぜひやらせてください。最後にAgVenture LabのVISION TO THE FUTUREを教えてください。

荻野:AgVenture Labは日本の農や食、地域課題を解決するスタートアップの支援をしています。しかし、日本の農業の課題は作物や地域や土地によって違い、非常に多岐にわたります。そのため課題を解決するスタートアップの数が全然足りていません。

今はスタートアップが点で存在している状態です。全体を変えていくようなパラダイムシフトを興すには、点をつないで線にして、それを面にしていく活動をしていかなければいけません。達成するには10年、20年かかるでしょう。だからこそ今始めなければいけません。これがビジョンの1つです。

もう1つは、コレクティブインパクトです。JAグループだけでなく、行政や大学などいろいろな人たちと手を繋いでやっていくことが大事だと思っています。

そして3つ目は日本で起業家を育成することです。アメリカ、ヨーロッパ、中国、イスラエルもそうですけど、スタートアップが活躍して世の中を変えています。一方日本は起業家が少ないし、停滞しています。大学と連携して、学生さんや研究者の方々にアプローチしていきたいと思います。特に日本の研究者の方々は研究も論文も立派なのに社会実装まで持っていくのが苦手なようで、そこを後押しできないかと思っています。これがAgVenture LabのVISION TO THE FUTUREです。

文=久野照美 編集=鈴木 奈央

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