気分や睡眠、食欲、幸福感を司るホルモンのセロトニンは、適切な食品を摂取することで、分泌を促すことができる。特に、脂質が多い魚やミルク、ナッツ、卵に含まれる必須アミノ酸の1つであるトリプトファンには、分泌を促進する効果があるとされている。
また、セロトニンの生成にはプルーンやバナナ、サーモン、ひよこ豆などに多いビタミンB6、亜麻仁(フラックスシード)や魚油、クルミに含まれるオメガ3脂肪酸が関与している。オメガ3脂肪酸は脳の機能とも関連しており、これらの不足は、うつ病や不安といった気分障害につながる可能性がある。
「意図的に悲しむ」ことの重要性
破局による傷心からの癒やしの過程でマインドフルネスを実践することは、米国の臨床心理士など専門家の間で「意図的(計画的)な悲しみ」のプロセスと呼ばれている。そうした計画的な嘆きのプロセスを経ることには、食事や料理も含まれる。味見をしながら料理を作ることは、マインドフルに行うことであり、そこには瞑想や癒しの要素も含まれる。
2016年に『Journal of Positive Psychology』に発表された研究結果によると、メンタルヘルスの状態が最も良好なのは、料理などの創造的な作業を毎日している人だった。
別れによる心の痛みを経験している人には、規則正しい食事、砂糖やアルコール、加工食品の摂取量の制限、十分な水分とビタミンB、ビタミンDの摂取、運動量を増やすことも勧められている。
この世の終わりのように感じられるときにも、マインドフルネス、規律を保つこと、自分を大切すること、そして適切な食事をすることが、幸福感と心の平静と安定を取り戻すことに役立つはずだ。
(forbes.com 原文)