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2023.03.30

「100人の壁」真っただ中 マネージャーの抜擢をどう進めるべきか

リチカ 代表取締役社長 兼 Co-CEO松尾幸治氏

──貴社の今後の展望をお聞かせください。

会社のミッションとして「Switch to The RICH. クリエイティブで、世界を豊かに。」を掲げています。

もともとリチカという社名にある通り、私たちは自分たちのことを何かの変換器・リッチ化する装置のようなものだと捉えていて、今だと「テキスト情報を動画にリッチ化する」とか、「コミュニケーションをワクワクする形にリッチ化する」といったように、世の中をリッチ化して今より少し面白くして行く存在であり続けたいと思っています。

これからはクリエイターやクリエイティブの価値が上がっていくと思っています。情緒的な価値やブランドの価値が上がって来ており「理由がはっきりあるわけでも無いけれど、何だか良さそうだから買う」というような時代になってきているからです。

その一方で、情緒的なクリエイティブが求められることで企業側の情報発信コストは高くなっていきます。ここをテクノロジーを活用して、標準化・システム化する事が求められるでしょう。

私たちはテクノロジーの力でより多くの人たちに、安価に、よいクリエイティブを提供していくことを、クリエイティブとテクノロジーで両軸をやれる唯一の会社になりたいなという風に思っています。

遊び心を忘れず、業界を変えていく

──単なる効率化ではない、クリエイティブとの両立が肝となるわけですね。

そうですね。例えば私たちはよく「SaaSの会社ですか?」と聞かれるのですが、SaaSという言葉だけだと私たちを表すにちょっと淡白だと思っているんです。

むしろ色んなクリエイターが私たちの会社、社内外にいて、遊びながらいろんな面白いものを作っている。そして人がわざわざやらないでいいところはSaaSとしてオペレーションに落とし込んで効率化する。

この2軸をどちらも最大化していく会社になりたいと思っています。

──広告制作業界に新しい常識をつくる、そんな存在となりそうです。

広告制作市場って多重下請け構造で、職人産業・労働集約型なんです。そして、意外と巨人がいない。

広告代理店だと電通さん博報堂さん、サイバーエージェントさんがいますが、広告制作やクリエイティブ産業ってテレビ制作局以降、進化が止まってしまっているんです。デジタルで圧倒的に勝っているプレイヤーが実はいない。

デジタル広告制作市場は規模でいうと3800億円くらいあって、インターネット広告市場とともに伸びています。このクリエイティブ産業に対して、テクノロジーを駆使して効率化しながら、ただ一方で遊び心も忘れずにどんどんクリエイターと面白いことを仕掛けて行く。

そういう集団であり続けることが、リチカが目指しているところです。

文=下平将人 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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