ただし、これだけの額の民間投資が行われているといっても、公的投資がもはや必要ないわけではないと、シューは釘を刺した。
各国政府は今後も、核融合炉のエネルギー源をさらに改良するための研究に資金を提供する必要があるとシューは指摘した。具体的には、核融合プラズマ発生時の過酷な環境に耐える材料やプロセスの開発、そして、核融合炉に必要なトリチウム(三重水素)をまかなう自給自足型の燃料サイクルが必要だと同氏は訴えた。
最近になって急増した核融合への投資は、世界各地の投資家からもたらされているが、シューによれば、そのうち80%は米国企業からのものだという。
これらの資金が投じられている企業の大半は、いまだにベンチャーキャピタルからの投資を受けている段階にあるため、メインストリームの投資家は、自分たちに適したチャンスが訪れるまで待つ必要があるかもしれない。あるいは、すでにこの分野に手を伸ばしている大手企業に投資するという方法もある。こうした企業としては、Chevron(シェブロン)、Amazon(アマゾン)、Alphabet(アルファベット)などのおなじみの顔ぶれがそろっている。
フォーブスで、投資や人工知能(AI)関連ニュースを扱うライター集団「Q.ai」では、核融合の未来に関わる複数の企業を推薦している。さらにYahooでも、ジョシュ・エノモトが同様の推奨銘柄を列挙している。
マッキンゼーは今回のリポートで、核融合エネルギー開発に取り組む企業は、21世紀初頭の時点ではわずか1社だったが、現在では25社に達したと指摘している。同社は、この分野をリードするTAE Technologies(TAEテクノロジーズ)、General Fusion(ジェネラル・フュージョン)、Commonwealth Fusion Systems(コモンウェルス・フュージョン・システムズ)、Helion Energy(ヘリオン・エナジー)、Zap Energy(ザップ・エナジー)、Tokamak Energy(トカマク・エナジー)、First Light Fusion(ファースト・ライト・フュージョン)といった企業について、投資可能性の分析を行っている。
(forbes.com 原文)