大量廃棄に土砂災害も 太陽光発電システムの闇

昨年12月15日、東京都で新築住宅への太陽光パネル設置を義務化するための条例が、全国で初めて成立した。こうした流れがあるなかで、1000kWを超える太陽光発電システム「メガソーラー」が問題になっていることをご存じだろうか。

メガソーラー設置を目的とした森林伐採や、数十年後の大量廃棄によって、子どもたちの将来が脅かされているのだ。

問題はすでに起こっている

メガソーラーの問題はすでに私たちの周りでも起きている。

長野県北安曇郡白馬村の山では、太陽光発電施設の発電パネルが破損したまま、放置されている。管理会社によると、昨年3月の大雪で壊れたものの、費用の負担をどうするか決まらず、修理も撤去も行えていないようだ。

再生可能エネルギーの推進で太陽光パネルの大規模な設置が進んでいるが、さまざまなデメリットがある。メガソーラーの3つのリスクを見ていこう。

森林破壊・土砂災害




メガソーラーは設置に広いスペースが必要なため、森林伐採を行ったり、周囲の生活環境を乱したりすることがある。

産業用ソーラーパネルの多くは林地に設置されており、費用を抑えるために安全性の低い土地を選ぶ業者もいるため、地滑りや土砂崩れなどの土砂災害の要因になっているのだ。

設置場所や規模を十分検討し、土砂災害のリスクが低い土地を探す意識が求められる。

有害物質の流出



ソーラーパネルは種類によって鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質を含んでおり、それぞれ適切な処分方法がある。

しかし、含まれる有害物質の情報が廃棄物処理業者に伝わっておらず、適切な処分が行われていないケースが見られるようだ。

例えば、本来は水漏れを防ぐ設備のある「管理型最終処分場」での埋め立てが望ましいが、そうではない処分場に埋め立てられていることもある。

ソーラーパネルの大量廃棄


ソーラーパネルはそのままゴミとして捨てられないため、廃棄するときに専門業者へ依頼するコストがかかる。

廃棄費用をあらかじめ積み立てておけばよいが、実際に積み立てている業者は少なく、空き家のように放置したり、山奥へ不法投棄したりすることがある。

再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取るFIT制度によって、同時期に設置された大量のソーラーパネルは20〜30年で寿命を迎えるため、一時的に最終処分場がひっ迫する可能性もあるのだ。
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文=エシカルな暮らし編集部

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