第10に、アジャイル革命は、マネジメントのあり方そのものを変革する可能性が出てきた。古代エジプトの時代から、組織は独裁的かつ独断的で、標準化された製品とサービスの提供に重点を置いてきた。今日、これは「社会のマクドナルド化」として知られている。今、私たちが見ているのは、根本的な哲学的転換の始まりの瞬間なのだ。私たちは「気の遠くなるような同一性」を生み出す社会的プロセスである、独裁と標準化の牢獄から脱却しようとしているのだ。
変革プロセスの次のステップ
この可能性をフルに発揮するためには、さらなるステップアップが必要だ。ソフトウェアの世界自体にも改革が必要である、そこにはアジャイルを称する偽物の多発、名前を変えただけの類似手法の乱立、コンサルタント間の争い、経営全般への敵対心への対処などの問題がある。
アジャイルは、ソフトウェアの世界以外にはなかなか広まらなかった。通常、実施のためには積極的な介入と再構築が必要とされる。その理由のひとつは、多くの企業では、どのように仕事を行うべきかについて、明文化されていない、あるいは無意識の前提があるからだ。アジャイルは一時的な逸脱と見なされ、官僚主義への回帰が普通のことと見なされたのだ。
今、この新しいマネジメントの概念を、企業のあらゆる側面において明確にするための計画的なステップが必要とされている。これらには、アジャイルなトップリーダーシップチーム、アジャイルな予算管理、アジャイルな人事制度、アジャイルなリスクマネジメントなどがある。これが達成されれば、マネジメントという概念そのものを再定義することができるようになる可能性がある。
(forbes.com 原文)