会社で実現すべき、次のイノベーションを見極める方法

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地球上の全ての企業が、出来合いの市場で画期的なイノベーションが起こせたら、と夢見ているだろう。もちろん、こうした分野を見つけられることはまれだ。

創造的な商品や賢いイノベーションを抱えている企業は多いが、こうしたスタートアップは非常に頻繁に失敗する。こうした商品の多くは、顧客が解決したい問題を解決しないものであることが原因だ。

作家のリンダ・イエーツは新著『The Unicorn Within: How Companies Can Create Game-Changing Ventures at Startup Speed(内に秘めたユニコーン:会社がスタートアップの速度でゲームチェンジャー事業を作る方法)』の中で、イノベーター志望者に顧客の悩みを理解する必要性を強く訴えている。

先日筆者の取材に応じたイエーツは「企業は、まず先に商品を作ってしまうことがあまりに多い」と述べた。「一度商品が構築されると、企業は顧客に悩みがあるかどうかにあまり関心を持たず、その商品の好きな点や嫌いな点について知りたがるだけだ」

顧客を取材した経験がある人なら誰もが分かるだろう。イエーツは「顧客は好きな点や嫌いな点を教えてくれるかもしれないが、失礼にならないよう、そもそもこの商品は必要ないという点を口にしないことが多い」と述べた。

これは至ってシンプルなことに聞こえるかもしれない。では、あなたの会社の最高経営責任者(CEO)が最後に顧客に悩みを尋ねたのはいつだろう? 新商品に関する売り文句や、業界の方向性についての考えではなく、顧客の悩みだけに焦点を当てた質問だ。

顧客の悩みには、驚くほどの情報が詰まっている。イエーツは「デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)や電子レンジ、ミニバンが必要だと考えた人はいなくても、悩みについては理解されていた。それは、好きな番組を見られる時間に帰宅できないことや健康的な食事を作る時間がないこと、子どもや犬、スポーツ機材など運ぶものがどんどん増えて行くといった悩みだ」と説明した。

顧客は悩みについては理解していても、解決策を持ち合わせていないことが多い。あなたが支援できるのはこの点だ。イエーツによると、成功を収めるイノベーターは、顧客の悩みとそれを解決する技術やトレンドを合致させる。「ウーバーは、携帯電話やGPS、リアルタイムの支払いがなければ実現しない」とイエーツ。
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翻訳・編集=出田静

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