一方、従業員エンゲージメントが極めて低い従業員の割合は、入社1年目では16%で、5年目では32%に増えている。
辞めていった従業員が、新たな職場で働き始めたあとに満足感が急低下する可能性は非常に高い。新しい職場の魅力が薄れるにつれ、前の職場の同僚を懐かしく思う気持ちや、退職時に親切にしてもらった記憶が頭をよぎり始める。ブーメランのように戻って来るか来ないかは別として、辞めて間もない前職がだんだん良く思えてくるのだ。
3つ目の行動は、さらに一歩踏み込んだものだ。退職日から1、2カ月過ぎたあたりで、その人に連絡を入れよう。目的は、その人とのつながりが途切れないようにすることと、前の会社を忘れてしまうことのないよう、しっかり心に根付かせることだ。
以上述べてきたことを念頭に置き、辞めていく従業員に対しては親切に接してほしい。怒りをあらわにしたり、騒ぎを起こしたりは禁物だ。しかし、辞める部下の幸運を祈る理由は、それだけではない。そうすることこそ、真のリーダーとしてのあるべき行動だからだ。
有能なリーダーは、従業員の成長と能力向上を常に気にかけている。部下が自分の下で成長していくのが理想ではあるが、潜在的な能力をフルに発揮するためには、退職して、他の職場に移らなくてはならない場合もある。従業員が辞めることは、避けるべきことではないし、恐れるべきことでもない。祝福すべきことなのだ。
(forbes.com 原文)