手応えのある内定が出たときは? 交渉で失敗しない3つのコツ

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筆者はエネルギー政策アナリストのJ・Tから次のような質問を受けた。

「予想よりも良い条件の内定が出ました。それでも交渉すべきでしょうか? その場合、このメール(現在の内定の詳細と、それに対する交渉内容が記載されたもの)を送ってもよいでしょうか? この会社では長く勤務したいので、悪感情が残るのは避けたいです」

J・Tが内定をもらってもすぐに承諾せず、一歩引いて再評価する自制心を持っていることを称賛したい。また休職期間をへて仕事を再開する立場にあるJ・Tは、交渉から何年も遠ざかっていたため、周りに支援を求めている。これも素晴らしいことだ。最後に、10年近くの雇用の穴がある状態でも良い条件の内定をもらったことは称賛に値する。

J・Tの質問は、求職者が内定を受けてからの交渉プロセスについて持ちがちな誤解を反映している。幸運なことに、J・Tはこうした間違った思い込みに基づいて行動していない。あなたもJ・Tの例に倣い、ここに挙げる3つの交渉ミスを避けること。

1. 全く交渉しないこと

最初の内定条件は悪くなかったが、J・Tはこれをすぐに承諾しなかった。あまりに多くの求職者が、うれしさのあまりフライングして最初の条件を受け入れるか、交渉したら内定がなくなるのではと思っている。

目的もなく交渉をする必要はないが、内定条件の中には理想と異なるものがあるはずだ。金額(基本給や賞与、その他内定に示された金銭面の条件)や勤務開始日、役職、職責、福利厚生や賞与を受けられるようになる時期など、次の転職先を決める際に考えるべきことは非常に多い。

J・Tは、基本給が思っていたほど高くなかったことに気づいた。J・Tは賢くも、面接のプロセスを通じて給与の交渉にどれくらいの余地があるかを測っていたのだ。

基本給が希望より低ければ、賞与や退職金の積立金、将来の昇給額もそれに応じて低くなる。

2. 直接ではなく、メールで交渉する

交渉を決めると、J・Tは長い詳細なメールに交渉内容を記した。J・Tは多くの求職者と同様、メールを書けば考えをまとめられ、内容を慎重に編集して、直接の対話で直面するような対立を避けられると感じたのだ。これらはメールを通じた交渉のメリットと確かに言えるが、メールでの交渉にはメリットを超えるデメリットがある。
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翻訳・編集=出田静

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