導入企業の売り上げが向上
生き残りをかけ、さまざまな施策を模索し、2020年3月にサービスをリニューアル。現在の1on1支援に特化した。コロナ禍、組織と個人の結節点として1on1の重要性が高まる一方で、属人性が高いがゆえに現場での問題が発生しやすいと捉えたのだ。
通常、HR領域のツール導入は経営層や人事部が主体となることが多い。しかしカケアイへの問い合わせは、現場のマネジャーからの直接の問い合わせが半数を超えているという。
「特定の領域で強いブランド力を持っていたり、業界ナンバーワンのポジションにいるような企業でない限りは、組織の求心力維持が多くの現場で課題となっています。
以前はオフィスでの何気ない会話をきっかけにお互いの理解が深まったり、飲み会で上司に将来像を話してみたりすることってあったじゃないですか。 だから踏み込んだマネジメントもしやすかった。
こういった、『緊急度は低いけれど重要度は高い話』をする機会が、コロナ以降は減っています。それにより、今の職場で働くことの意味づけが難しくもなっています」
だからこそ、企業と従業員を繋ぐ場として、1on1という機会を設ける企業が増えているのだ。
実際に、その効果は数字としても現れている。ある企業の営業部門で、カケアイ利用チームと非利用チームの売上や離職率を比較したところ、前年同月比で売り上げ、離職率ともに3割程度の改善が認められた。
社内でもカケアイを活用しており、そこで生まれたフィードバックをサービスに反映することで導入件数や利用率はさらに伸びたという。
1on1失敗の原因は「内容」ではなく「事前準備」
組織の求心力維持に効果的な1on1。しかし「上司と部下という上下関係が原因で、本音を話せない(聞けない)」「内容の質が双方の対人力・コミュニケーション能力に左右されてしまう」といった課題も多い。カケアイに問い合わせする企業の多くは「必要性を感じて1on1をやってみているが、うまく機能しないのでツールを探している」と悩んでいる場合が多いという。
本当に効果的な1on1を実施するには、どうしたらいいのだろうか。本田は、「意外かもしれませんが、『1on1の時間での行動』以上に『事前準備』や『振り返り』が結果を大きく左右するんです」と話す。
中身の良し悪しは、事前と事後の行動によって決まるということだ。