AI

2023.02.14

人工知能は「量より質」 Bobidiの「AIを鍛える」ユーザー参加型サービス

Bobidiアプリに日々更新されるオープンチャレンジ。クライアントが開発するAIモデルのトレーニングを目的としている

Open AIの会話型AIサービスである「Chat GPT」の流ちょうな受け答えに感嘆していたら、今度はGoogle(グーグル)が独自の大規模言語モデル「LaMDA」を搭載する「Bard」を発表した。人間との応答により、独自のアウトプットを生成できる「ジェネレーティブAI」が年初から巷をにぎわせている。そして今、ある米国のスタートアップ発のグローバルコミュニティサービスがAIによる「応答の品質」を変えようとしている。

米の新生スタートアップによる「AIを鍛える」プラットフォーム

Bobidi(ボビディ)は2021年に創立されたばかりの若いスタートアップだ。現在はカリフォルニアのロス・ガトスに拠点を構えている。2月7日にScrum Ventures(スクラムベンチャーズ)が都内で開催したイベント「SCRUM CONNECT 2023」に、創業メンバーの1人でもあるCEOのチェ・ジョンシュウ氏が参加し、会社と同名のサービス「Bobidi」を日本に紹介した。

米カリフォルニアに拠点を置くスタートアップ「Bobidi」から来日したCEOのチェ・ジョンシュウ氏米カリフォルニアに拠点を置くスタートアップ「Bobidi」から来日したCEOのチェ・ジョンシュウ氏

一般に、AIは入力されたデータを機械学習モデル(AIモデル)により解析して結果を導き出す。従ってAIモデルのクオリティはAIによる解析と評価に大きな影響を与えると言われる。例えばチャット型AIの場合、AIモデルの出来次第ではコミュニケーションがスムーズに成り立つ場合もあれば、反対にとんでもない方向に会話を導いたり、言葉づかいのミスによるトラブルを招くリスクも生まれる。

Bobidiが提供するのは、質の高いAIモデルを開発するためのトレーニングプラットフォームだ。独自のモバイルアプリにユーザーを集めて、コミュニティサービスがAIデータセットを磨き上げて精度を高めるという、ユニークなサービスの仕組みに注目したい。

Facebook/ebayでキャリアを積んだチェ氏と、Google出身のスヒョン・ペ氏が中心となってBobidiを創立したFacebook/ebayでキャリアを積んだチェ氏と、Google出身のスヒョン・ペ氏が中心となってBobidiを創立した

AIトレーニングに参加意欲の高いユーザーが集まる

現在、アプリはiOS/Androidの両プラットフォームに対応する。アプリの名称もまた「Bobidi」だ。誰でも無料で使えるアプリだが、Apple IDやグーグル、Facebook(フェイスブック)のアカウントにひも付けたユーザー登録が必要になる。

アプリを開くとテーマの異なる複数の「オープンチャレンジ」がリストになって並んでいる。それぞれのオープンチャレンジはAIモデルを鍛えるための内容の異なるトレーニングだ。
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編集=安井克至

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