米スミソニアン博物館が率いる国際研究チームによると、ケニア西部ホマ半島の発掘現場で、260万~300万年前のものと推定されるオルドワン石器が見つかった。人類の近縁種「パラントロプス」の大臼歯1対も発見されており、パラントロプスが人類の直接の祖先より先に石器を作ったことを示唆している。
スミソニアン博物館の人類学者リック・ポッツは、これまで知られていた最古のオルドワン石器は推定260万年前のものであったことから、この発見により「誰が作ったのかについての刺激的な探求が始まる」と語った。
石器やその付近で見つかった動物の骨の摩耗状況を分析したところ、草木や肉、骨髄などを加工するために使用されていたことが示された。少なくとも3頭のカバの骨も見つかっており、骨髄や肉をそぎ取るためにこれらの道具が使われていた形跡があるという。論文の主著者トーマス・プラマーは、人類の祖先がカバなどの大型動物を食べていた最古の証拠だと説明している。
研究チームによると、人類の祖先は170万年前にオルドワン石器を改良し、現在知られている最古の手おのが生まれた。
今回の発掘現場から1300km離れた場所では以前、330万年前のものと推定される石器が見つかっていたが、その作りは粗悪だった。今回のオルドワン石器はそれと比べて「著しく洗練」されており、製作には「かなりの器用さと熟練が必要」だっただろうと研究チームは説明している。
(forbes.com 原文)