Writing about the overlap of science and art

Photo by David Silverman / Getty Images

旧石器時代の石に彫られた模様が何を意味するのかを調査するべく、フランスの考古学者と神経科学者がブレインイメージング技術を活用した研究を行った。

世界中の様々な場所で模様が彫られた岩や石が見つかっており、数万年前のものも発見されている。そこに描かれた模様は何かを意味しているのだろうか。装飾なのか、いたずら書きなのか、それとも何かを象徴しているのだろうか。

その答えを求めるため、フランス国立科学研究センター(CNRS)とボルドー大学は現代人に、古代人が描いた様々な模様を見せて反応を調べた。その結果、驚くことに、模様を見た人の脳内では認識可能な物体の画像を見た時に反応する部分が活性化していた。

彫られた模様から被験者の脳は何かを認識したようだが、それが実際に意味するところは分からない。論文では「これらの模様には現代人にとって意味のある視覚的な特性があり、それは初期の現代人や古代人にとっても同じだった可能性がある」とされている。

ただし、この反応が真実であるかどうかの検証は難しい。被験者に見せた模様は1つではなく、世界各地で見つかった54万年前~3万年前のものとされる遺物に掘られた50種類の抽象的な模様だった。年代に大きな差があり、もし比較的新しい模様に抽象的な意味があったとしても、より古い模様にも同様のことがいえるとは限らない。

研究結果からいえることは、27人の現代人の脳が古い模様を見て、物体を見ている時と同じ反応を示したということだ。今回の研究では、スクランブル画像を見せた場合や、風景や文字(理解できるものとなじみのないもの)を見せた場合とも比較した。

模様を見た時の反応と文字を見た時の反応を比べると、模様を見た時に通常は書かれた言語を処理する際に使われる左脳の一部が活性化した。つまり先史時代の模様の一部は文字や象徴に似ていると我々現代人の脳は判断し、当時の人々にとっても何か意味があった可能性を示している。

彫られた模様が文字なのか象徴なのか、それとも装飾なのかを断定するのは依然として難しいが、現代人の脳がそこから何かの意味を感じたことだけは確かなようだ。

編集=上田裕資

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい