働き方

2023.02.11

オフィスに戻っただけでコラボやリーダーシップが向上するわけじゃない

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問題はとても単純だ。オフィスで働いているからといって、魔法のように、リーダーが高い能力を発揮したり、会社の価値観がより強化されたり、チームの能力が上がったりすることはない。対面で働いていれば、コラボレーションや文化、リーダーシップという面でプラスになる可能性はあるだろう。だからといって、オフィスで働けば、そういったことが自動的に向上するわけではない。

リーダーシップIQが実施した調査「The State Of Working From Home(在宅勤務の状況)」では、在宅勤務でのミーティングは生産性が上がるか否かという設問に対して、答えがちょうど半々に分かれた。理由は、オンラインだろうが対面だろうが、ミーティングを効果的に進めるためには、努力とスキルが必要だからだ。

単にリモートだからというだけで、ミーティングがうまくいかないわけではない。同様に、対面だから自動的に生産性が上がるわけでもない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック前を振り返ってほしい。ミーティングをしていても、出席者にやる気がなかったり、他のことに気をとられていたりといったケースがあったはずだ。明確な目的のないミーティングや、適切ではない人が出席しているミーティングもあったのではないだろうか。

従業員は在宅で働くべきか、出勤すべきかについて、いま結論を出そうとするのは間違いだ。それよりも大きな問題がある。それは、リーダーと企業が、リーダーシップと文化の構築という基本的な取り組みに対して真剣に取り組んでいるかどうかだ。

対面ではなくビデオ会議でコーチングを実践するのは、少しやりにくいのではないかという指摘は確かにあるだろう。しかし、有能なリーダーがビデオ会議で実践するコーチングのほうが、二流のリーダーが対面で実践するコーチングよりも、比べ物にならないくらい効果的なはずだ。

マネジメント、文化、チームプロセスの根底に潜む問題を解決せずに、リモートワーク云々について気を揉むのは、車のエンジンが壊れているのに、塗装のことを気にするようなものだ。どれだけクールな見た目の車でも、自宅の前に停まりっぱなしだったら意味はない。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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