従業員調査のコメントに隠された「不満」を掘り起こす方法

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あなたの会社の従業員エンゲージメント調査(もしくは社員満足度調査)の最後に自由形式の質問が設けられているとしたら、あなたはとても良い会社に勤めているといえるだろう。従業員調査に関する新しいレポートによると、ほとんどの企業が調査で1つか2つの自由形式の質問を使用していることがわかった。しかし、残念なことに、これらの4分の3以上の企業が、それらの自由形式の質問を効果的に活用できておらず、従業員エンゲージメントを向上させることができていないと回答している。

企業が自由形式の質問に対する回答を十分に活用できない最大の理由は、その質問について深く考えられていないためだ。例えば「ABCの職場環境を改善するために、私たちができる前向きな改善案を教えてください」というような自由形式の質問をしたとする。ここで、ある社員が次のようなコメントを書いたとしよう。
ここでは多くの人が、トレーニングを受けてきたポジションに抜てきされたり、時には暫定的な立場でやっていたりします。しかし、採用担当マネージャーと友人であったという理由だけで、経験のない社員がよくそれらのポジションを得ていることが多い気がします。あるいは、マネージャーが彼らをコントロールできると信じたいからです。もしくは、マネージャーの不手際を露呈させないようにするためです。この会社は、会社の利益のために、経験と才能のある社員を登用し始めなければなりません。そして、すでに仕事をしている社員にとって「このポジションにはまだ早い」と言われ、はるかに経験の浅い人に仕事が回ってくるのは、ひどい気分です。
このようなコメントを読んで「ああ、これは明らかに抜かれた社員の不満だ」「ただの負け惜しみだ」「一理あるかもしれないが、どうしようもない」と思うリーダーがあまりに多いのだ。

そのコメントを書いた社員は明らかにイライラしており、もしかしたら怒っているかもしれないが、その回答には実はもっと多くのことが含まれているのだ。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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