従業員調査のコメントに隠された「不満」を掘り起こす方法

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彼らは明らかに現在の昇進のやり方に不満を表明しており、明らかにいらだち、やる気を喪失しており、過小評価されていると感じている。しかし、それ以上に、彼らは公平性を強く意識しており、個人的なつながりではなく、スキルや経験に基づいて昇進する実力主義を信じている。人脈だけで昇進した場合、企業に長期的な悪影響が出ることを彼らははっきりと認識しているのだ。

最も重要なことは、彼らは現在不満を抱いている一方で、会社と同僚の幸福と成功に深く気をかけているということだ。おそらく昇進を見送られたのだろうが、この発言からは自分以上に、昇進すべき他の優秀な社員のことを心から心配しているように見える。

次に例えば、ある社員が以下のようなコメントを書いたとしよう。
この組織は成長していますが、その組織を運営していくために雇用される人の数は減少しているようです。確かに効率化は進んでいますが、リソースを使いすぎて、生産性がマイナスになる限界点というものがあります。私たちの部門は、リソース不足の影響を大きく受けています。
明らかにこの社員は、社員数の減少、それにともなうリソース不足、生産性の問題に不満を持っているようだ。しかし、前のコメントと同じように、ここにはもっと多くのことが示されている。この人が過労を感じ、燃え尽き症候群に向かっている、あるいはすでに経験しているのかもしれないという証拠だ。さらに、この人は、変化に対してより論理的で整然としたアプローチをとり、仕事が正しく高品質で行われることに関心を持つ人である可能性が高い。

もし、ある経営者がすべての従業員の自由形式の回答に目をとおし、このテーマが数十回出てくるのを見かけたら、その会社で変革を推し進めるのに最適な方法 (例えば、体系的で、論理的、そして品質の崩壊を防ぐことを優先しながら)について知っておくべきことを学んだほうがいいだろう。

これらの例は、自由形式の質問に対する従業員の回答の中に、ヒントの宝が埋まっていることを強調するものだ。その隠れた洞察を引き出すには、少しの時間と練習が必要だが、最終的にはその努力に十分見合う結果が得られるはずだ。

forbes.com 原文

翻訳=Akihito Mizukoshi

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