日本のメタバースが世界を主導するために、MVJが5つの柱を提案

渋谷ストリームホールで開催された「Metaverse Japan Summit 2023」

MVJはこの政策提言で、政策コンセプトの実現に向けて「産業基盤強化」「人材育成」「メタバース特区創出」「ルール形成と国際標準」「ダイバーシティ&インクルージョン」という5つの柱(Five Pillars)を提案。馬渕氏は今回の提案を元に「世界に向けて主導する日本のメタバース、世界を主導する産業立国を目指して行きたい」と話していた。


MVJ共同代表理事の馬渕邦美氏

これをうけて宮田氏は、現在の状況について「まだ1年しか経っていないが、この1年の中でいろいろなことが起きている。NFTが過剰な期待が膨れ上がり、大きな事件もある。でも実は今、むしろ粛々と筋のいいものが育っているという状況」と説明。加えて「いわゆるメタバースで関連するところでは、CGを描くというところが置き換わっています。今まで手がなくて、メタバース空間を作れなかったのが、ノーコードに変わっていきながら、どんどん作り方そのものが、まず間違いなくスピードが変わっています。本当にこの1年、メタバースだけじゃなくてメタバースに関連した領域は、すごい速度で動いています。MVJがそれをキャッチアップしながら、さらにスピードアップしていく必要がある」と感じていると語った。


MVJ理事・慶応義塾大学医学部教授の宮田裕章氏

伊藤氏は「2018年のコインチェック事件から日本は厳しくなっていて、何もできない状況にまだなっていて、変えようとしている。いい意味でも悪い意味でも、日本は海外のバブルのときも何もできてない。海外はそのバブルのときにボコボコになっていて、それを今、水をかけて規制しようとしている。やっと日本のペナルティーボックスから僕らは出るような感じ。ちょっと空いているようなところで出てこられる」と説明。


デジタルガレージ取締役共同創業者チーフ・アーキテクトの伊藤穣一氏

さらに日本の現状として「今までのweb3というのは、投機的な目的で使い方も結構難しかった。もっと一般向けなものから投機目的ではない使い方、それと大企業とか市町村などが入ってくるweb3が今日本で生まれようとしている。日本人の方が今、社会的な意義だとか、そういうのも入ってきて、もっと一般化したweb3を作って海外で競争していく」と、日本からの成長に期待できるフェーズに入っていると説明していた。

 
「インタラクティブセッション」での講演の様子

 
会場には出展ブースもあり、各種メタバース関連企業の製品やサービスが展示されていた

文=中山智、編集=安井克至

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