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2023.01.20

メタバースの霊園で供養の形が変わる、冠婚葬祭業大手さがみ典礼が参入

プレスリリースより

コロナ禍の影響で大きな葬儀が開けなくなり、家族葬をネットで遠方の親類にネットで中継するといったサービスが話題になりましたが、じつは仮想空間メタバースにも、すでに霊園がありました。テクニカルブレインが開発し、2021年11月からサービスを行っているネット霊園「風の霊」です。このたび、「さがみ典礼」を展開する冠婚葬祭業大手アルファクラブ武蔵野がこれを譲受し、サービスを引き継ぐことになりました。

「風の霊」は、正確に言うと、メタバース内に作られた霊園での「遺影埋葬サービス」です。個人の遺影をデジタル化して納めた霊廟に、家族や友人がアバターとなって墓参したり法要に参加できるというものです。霊園には、「地球の霊園」、「月の霊園」、「火星の霊園」があり、それぞれに仮葬空間ならではの夢のような世界が構築されています。

メタバースなので、高額な墓を購入する必要がなく、そのため墓の維持管理費も節約できます。いつどこからでも気軽に墓参りができ、法要でも、参加者は喪服を着たり遠方から駆けつける必要がありません。とくに、葬儀における喪主の負担が削減されることが、このサービスの大きな特徴になっています。

自分が死んだときは、供養は家族や葬儀社に任せきりになるのが普通です。これに対して「風の霊」は、「自己完結供養」を提案しています。仮想霊園で、事前に自分で自分の後始末を決めておこうというわけです。

ただ、仮想空間なので実際のお骨を預けることはできません。利用者は、火葬や遺骨の供養を済ませた後に、「風の霊」に遺影を納めるという流れになります。現在は、遺骨の供養までを葬儀社などに依頼して行うことになっています。

しかし、アルファクラブ武蔵野がこのサービスを引き継ぐことになれば、それらもすべてセットにしたワンストップのサービスになることが期待されます。同社はこれを「今後の新しい供養のカタチとなる」と認識し、「今以上にお客様に寄り添ったシステムの構築を行って」いくと話しています。

文 = 金井哲夫

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