株価急騰のメタ、「メタバース」への投資継続を宣言

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メタ・プラットフォームが2月1日発表した昨年10-12月(第4四半期)の決算は、売上高が市場予想を上回り、株価は時間外取引で急騰した。同社のメタバース関連の事業を手がけるリアリティラボにとって、フリーキャッシュフローとユーザー数の増加は、嬉しいニュースと言える。

メタの株価は、153.12ドルで日中の取引を終えたのち、時間外で180ドルに急騰した。同社の株価は昨年10月の第3四半期決算の直後に記録した安値から約2倍に伸びている。

メタの第4四半期の売上高は322億ドル(約4.1兆円)で、市場予想の315億ドルを上回ったが前年同期比では4.5%のマイナスだった。1株当たり利益(EPS)は予想の2.26ドルを下回り、前年同期比52%減の1.76ドルだった。同社は、この利幅の減少の原因をレイオフを含むリストラ費用とし、この費用がなければEPSは3ドルだったと述べた。

しかし、資産運用会社アライアンス・バーンスタインのシニアアナリストのマーク・シュムリックは、投資家が注目しているのはフリーキャッシュフローだと述べている。メタが事業への再投資などに充てるフリーキャッシュは53億ドルで、予想の15億ドルを大幅に上回った。

メタバースサービスの「Horizon World」を擁するリアリティラボ部門の営業損失は、予想の44億ドルをわずかに下回る43億ドルだった。

フェイスブックのDAU(デイリーアクティブユーザー数)が初めて20億人を突破するなど、全体の業績が予想を上回ったこともあり、メタバース部門の損失に対する投資家の批判は、やや抑えられそうだ。

メタの創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグは、声明の中で、「当社のコミュニティは成長を続けており、アプリ全体の力強いエンゲージメントに満足している。フェイスブックは、1日のアクティブユーザー数が20億人という節目を迎えた」と述べている。ザッカーバーグは、TikTokにシェアを奪われた分野であるReelsを含む短編動画の市場シェアが、昨年から倍増したことを付け加えた。

しかし、メタのCFOのスーザン・リーによると、リアリティラボ部門は今年も採算が合わないままになる見通しだ。彼女は、決算発表後の電話会議で、「このセグメントへの投資を続けている」と述べた。

ザッカーバーグは、メタが今年、第3世代のVRヘッドセットをリリースし、VRとMR(複合現実)の提供を拡大すると発表した。「メタバースのためのオペレーティング・プラットフォームに注力していく」と彼は決算発表後の電話会議で述べ、「ほとんどの人が携帯電話でメタバースを体験することになる」と付け加えた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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