知らないと損する 経営者のための「オーセンティック」とは?

ラーニングエッジ代表取締役 清水康一朗

逆に言えば、「オーセンティック」でなければ、あなたがSNSに投稿したり、何かの情報発信をしても、そもそも見られないし、見られても信じてもらえない、「いいね!」も「フォロー」もされないし、反応されないし、買ってもらえない、という悲惨な状態に陥ります。社会から反応されなければ、ビジネスの生産性があがらないのは当然です。

確かに、視聴者視点で言えば、「怪しい」とか「この人は誰?」と思うような人の情報は見たくないし、商品を買いたくなくなるのは当然のことです。だからこそ、「オーセンティック」であることの重要性をいま改めて認識して頂きたいのです。

では、具体的に何をしたらよいのか?

ここまでは、「オーセンティック」の定義と、今こそ取り入れるべき価値あるキーワードだと解説しました。では実際、経営者は、何をしたらいいのか? 具体的に共有しましょう。

1. まずは、本物を知る&アップデートする

ご自分の専門分野については、知っている、分かっていると思っていて、ここまで10年前の情報や知識のまま、ずっと同じ状態になっていませんか? 2023年は、アップデートが必要です。まず、ご自身の仕事や興味のある分野の関連専門書を10冊以上読破してください。すると、発言する言葉の信頼性がぐっと増します。

他には、博物館や美術館に遠のいていたのなら、久しぶりに足を運んでみることで、それまで停滞していた「学びの意欲」が刺激され、教養が高まったり、アイデアの閃きが生まれるかもしれません。何よりも、世の中の情報発信者が言っていることが本当かどうかを判断する「目」が養われるはずです。

2. 歴史や哲学を学び直す、教養を高める

歴史に基づいた事実や哲学は、ドラマティックで面白いだけでなく、活きた学習素材です。これらを学び直すことで、水面下に漂う物事の本質が見えてきます。世界の歴史や流れが分かっている人は、例えば、ロシアや中国、アメリカの動きに対して、これはない、これはありうる、といった予測を立てることが可能になります。

また、西洋哲学やインド哲学、中国の古典的思想などから、人間理解が深まって、より一層「本物」「本質」を見抜く目が養われます。さらには、そういったあなたがSNSやブログなどで発信する情報は、「本物」であるという意味づけがなされるようになります。なぜなら、分かる人には、あなたのちょっとした発言から、「本物」か「偽物」かは、すぐに分かってしまうからです。

3. 信頼するコミュニティとつながる

信頼できる情報を発信している人をフォローしたり、信頼できる人と一緒にいる人を、一般的に人は信頼するものです。だからこそ、あなたが「オーセンティック」な人であるために、「本物」「本質」を感じさせる人の近くにいることが求められます。

一方で、スキャンダルになったり、言っていることが二転三転するような人と一緒にいたら、「偽物」の匂いが漂い始めます。「世のため、人のため」「社会貢献」「道徳」「倫理」などを大切にする人と一緒にいることで、「本物」としての感覚が養われると同時に、あなたが周りから「本物」とみられる要素を身にまとうことができるようになっていきます。
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文=中村麻美

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