そのセーターに使われた「羊」の名前がわかる? カーボンラベリングの現在地

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商品にはどのように表示されている?

では、共通のルールがない中で、商品のラベルにはカーボンフットプリントがどのように表示されているのでしょうか?大きく分けると、次の3つの方法になります。

1. グレード表記

A/B/Cや、緑/黄/赤など、CO2排出量をグレードとして表示。例えば「500g-CO2e」と言われても、消費者にはその良し悪しが分からないため、相対評価にして視覚的な判断のしやすさを狙う(One Planet PizzaやMarks&Spencerなど)

2. カーボンフットプリント値 (全体)

ライフサイクル全体のCO2排出量を記載(LogitechやTenzingなど)

3. カーボンフットプリント値 (詳細))

ライフサイクルごと(原料、生産、輸送、包装、使用、廃棄など)のフットプリントの内訳を記載(ChipotleやAllbirdsなど)
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ただ、もしスーパーの店頭に上記のようなラベル表示がされた商品が販売されていたとして、その情報が購入の動機付けになるかどうかと問われると、どうでしょうか。「価格」や「ブランド」ほど分かりやすい目印ではないため、返答が難しいかもしれません。

ニットの生産ストーリーも追跡できる

それでもカーボンラベリングへの流れは着実に進んでいます。その検討が欧米で進む背景には、サステナビリティの実現と、企業の成長を両立させるための差別化の手段として有効である、という認識の広がりがあります。

2021年7月にThe Independent紙は、世界最大級の食品・消費財メーカーであるUnileverが、製品にカーボンフットプリントが記載されたラベルを導入する予定であることを報じました。Unileverのサプライチェーン担当グローバルヘッドであるMarc Engelは、「特に若い消費者は気候変動に大きな影響を受けており、自分たちの購買行動を利用してメッセージを送ることに熱心です」と述べています。

アメリカのビューティブランド「cocokind」は製品の原材料、部品、包装材、製造工程、輸送、販売チャネルにおけるCO2排出量のデータを測定・取得、第三者監査法人に換算を依頼し、結果を製品のカーボンフットプリントとしてパッケージに表示している。「私達は『サステナビリティ』をただの言葉に留まらせないよう、どのように測定し、またそれを消費者に伝えるか。その方法を考えました」と創業者のPriscilla Tsaiは述べています。
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商品だけでなく、サービスにもこの流れを汲む動きがあります。イギリスの旅行会社Much Better Adventuresは、トラベルツアーごとのカーボンフットプリントを開示しています。例えば、ノルウェーのフィヨルドを8日間かけてハイキングやカヤックで旅をするツアーのカーボンフットプリントは、現地での移動、宿泊、食事、アクティビティ、ガイド、スタッフ、オフィス業務をすべて含めて、1人あたり平均163kgとされています。
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文=加藤順也

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