そのセーターに使われた「羊」の名前がわかる? カーボンラベリングの現在地

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CO2を削減するためには、まず排出量を「見える化」することが大切です。その上で、企業はCO2排出量を削減し、消費者は排出量がより少ない商品を購入することで、企業の活動をサポートする必要があります。

それでは、現在のCO2排出量の“見える化”はどこまで進んでいるのでしょうか。また、今後企業や消費者は、どのような取り組みをしていけばよいのでしょうか。

カーボンラベリングとは何か?

カーボンラベリングとは、商品の原料を調達、工場で製造し、輸送・販売し、廃棄、もしくはリサイクルするに至るまでの商品のライフサイクルで発生するCO2の排出量(カーボンフットプリント)を算出し、商品のラベルに表示することを指します。

食品ラベルのカロリー表示を見て、健康に与える影響を数値的に評価・購買できるようになったのと似ています。カーボンフットプリントを見える化することで、企業がCO2排出量削減に具体的に取り組めるだけでなく、消費者がより環境負荷の低い商品を購入する、もしくはそのような取り組みを推進するブランドを応援するために購入する、といった利点が期待されています。

一方で、ライフサイクルの範囲をどう定義するか、それぞれの活動におけるCO2排出量をどのように算出するか、あるいはどのガイドラインに従うかは、各企業の裁量に委ねられています。そのため情報の信頼性が問われたり、消費者が比較購買するには十分な情報が与えられない、といった課題があります。

そもそもサステナビリティの実現には、CO2の排出量だけでなく、人権問題やアニマルウェルフェア、生物多様性なども見える化する必要がある、といったもっともな批判もあります。

アイルランドでは2023年に規制化も?

カーボンラベリングの取り組みはそれほど新しいものではありません。例えば、イギリスのスーパーTESCOは、2007年に「グリーン消費における革命」を打ち出し、7万点の全商品にカーボンラベリングを貼ることにコミットしました。

しかし残念ながら、2012年にはこのプロジェクトを断念してしまいます。TESCOは、消費者の知識が不足していたこと、計算に膨大な時間が必要だったこと、また、他の小売業者が追随しなかったことが失敗の原因だとしています。(SB)

Ecolabel Indexの調査によると、現在は世界中に31種類の異なるカーボンフットプリント認証プログラムが存在しています。また、カーボンフットプリント算出方法に関する規格(PAS2060やISO14067)もあります。ただ、カーボンラベリングが法規制につながっている国・地域はありません。

規制化も一つの選択肢にはなっています。アイルランドでは、消費者が購入する商品の環境影響に関する情報をより多く得られるようにすることを目指す「カーボンフットプリント・ラベリング法案」が2021年11月に提出されました。法案プロセスは、規制影響評価を完了させるため、早ければ2023年に開始される予定です。(source: THE IRISH TIMES)
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文=加藤順也

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