メタバースについてはよくご存知ですよね。デジタルトレンドとしてよく話題に上がっています。
なぜメタバースが注目されるようになったかというと、5Gによる通信速度の高速化が現実のものとなったから。「Second Life」の時代だとカクカクした映像だったものが、今は鮮明になっています。スマホの処理速度も上がっています。また、10月11日開催の『Meta Connect 2022』で発表された最新デバイス「Meta Quest Pro」などは、以前のものに比べて猛烈に進化している。
「メタバースの時代なんてこないだろう」と考えている人もいるかもしれませんが、実はMicrosoft XboxよりVRヘッドマウントディスプレイは売れています。100億以上購入されたタイトルもある。メタバースのマーケットシェアは、多くの人が考えているよりも大きいんです。
もちろん、ゲームだけではありません。私たちが投資しているOsso VRという企業は、VRを医療に役立てています。同社はVR上で医療に関するトレーニングを行うことで、手術の失敗を減らすことに貢献しようという取り組みをしているんです。
通常、手術のトレーニングのためにはご遺体を用意する必要がありますが、それには手間も時間もかかります。しかし、メタバース上なら、そのような手間も不要。短期間でトレーニングができ、しかもリアルな感覚もあります。実際に同社のサービスを利用することで、手術の失敗率を劇的に下げることに成功しています。
また、低レイテンシーで高速な5Gネットワークが普及してきているため、将来的にはメタバースを使って、新幹線の中からリモートで、スーパードクターが地方の患者を手術するということが現実のものとなるかもしれません。
この医療×メタバースの話は「結びつくことで新しい価値を生み出す」であろう一例です。
若者にはいずれ自身が悪影響を受ける「リアル」な問題
──「グリーンバース」という言葉は聞き慣れないのですが、どのようなテーマなのでしょうか?
地球の「グリーン」にかけて、私たちは「グリーンバース」と呼んでいる。これは時間軸と規模においてとても大きな巨大なテーマです。
2100年、地表の平均温度は3℃も上昇するといわれています。私たち世代は、もう死んでしまっているかもしれませんが、子どもたち世代はそのときも生きている。2000年以降に生まれた世代にとって、3℃上昇するまであと80年もありません。氷河がなくなるという話は、若い人には「リアル」な問題。「脱炭素」はファッションではなくシリアスな問題なんです。
そのため、私たちもこの領域に投資しています。今日履いてきたスニーカーはAllbirdsのものですが、素材は投資先の「Natural Fiber Welding」のサステナブルな素材が使われています。