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2022.07.25

日本郵便、JR東日本、JALらとスタートアップが未来の街をつくる SmartCityXが二期成果発表

発表はNBAゴールデンステート・ウォリアーズ本拠地であるサンフランシスコのチェイス・センターで行われた

日本の大企業が同じく日本、そして世界のスタートアップとともに「未来のまち」をともに創り出すことを目指すグローバル・オープンイノベーション・プログラム「SmartCityX」。スクラムスタジオが主催するこのプログラムは、日本そしてサンフランシスコに拠点を置く同社が企業と企業、特に大企業と最先端の技術を持つスタートアップをつなぐ「場」を提供するものであり、その名にあるとおり「街づくり」のプログラムとなる。

二期目の活動の締めくくりとして、7月21日にスクラムスタジオはSmartCityX Conference 2022をサンフランシスコのチェイス・センターで開催された。

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スクラムスタジオ 代表取締役社長 髙橋 正巳氏

今回の特徴は、伝統ある日本の大企業である日本郵便やJR東日本、日本航空もプロジェクトに参加している点となる。いずれも日本国内で確固たる事業を提供し続けている企業だが、DXやデジタル技術の革新、そしてコロナ禍による生活様式の大きな変化で新たな事業、自分たちの在り方、社会への貢献をより本格的に模索しており、その結果の一端を今回の発表で垣間見ることができた。

街を変えていく9つのプロジェクト


発表では、本プログラム二期目で誕生した日本の大企業と国内外のスタートアップによる事業共創プロジェクト9件が紹介された。それぞれをご紹介する。

・日本郵便×Innoviz Technologies


日本郵便は高精度なLiDARセンサーの技術を持つイスラエルのInnoviz Technologiesと提携。日々、郵便物を配送する車両にLiDARセンサーを搭載し、その経路である道路や周囲の建物の変化といった情報を集め、デジタル地図の構築を目指す。このデータは、自動運転や無人配送など次世代の住民向けサービスの基盤にすることが可能で、道路の損傷状況といった地域課題解決や新たなビジネスにも活用できる。

・日本郵便×Sol Chip


また、日本郵便は同じくイスラエルのSol Chipと提携。太陽光により自己給電するIoT用長距離無線機および通信プラットフォームを提供するSol Chipの技術により街角にある郵便ポストのスマート化構想。郵便物の投函状況を可視化することで効率的な取集を目指すだけでなく、気象情報といった環境データや子ども、老人の見まもりへの活用も検討。

・東日本旅客鉄道×Oyla(アメリカ)


JR東日本は3D監視システムを提供する米国のOylaと提携。Oylaの3Dデータストリーム/深度対応のコンピュータビジョン解析は暗い場所でも精度が高く、鉄道駅ホームの安全性向上に取り組む。
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文・編集=安井克至

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