直接会う機会が少ないため、交友はどうしてもSNSが主体となりますが、その使い方に「技」がありました。まずは、「親しい友達」機能を使い、相手によって見せる顔を変えているというもの(53.8パーセント)です。これはマーケティング用語で言うならセグメンテーションです。また、「ターゲティングとオンライン上の自分を演出するポジショニング」だとFUTUREは分析しています。
仲良のいい友だちと3時間以上の長電話をしたことのある学生は83.0パーセント、大学に行っても常に同じ友人と行動すると答えた学生は75.2パーセント。つまりこれは「タイムシェア戦略で仲を深め、相手のインサイトを踏まえた1to1コミュニケーション」とのことです。
また、友人と交わすLINEの文章は短いという結果も出ています。友人とのやりとりは81.4パーセント、親友の場合は78.8パーセントが短文で、スタンプのみの場合も増えます。これは友人になった相手とは緩やかな関係を継続しようとする行動であり、CRM(顧客関係管理)の考え方に通じるものだと言います。
これはまさに、オンラインを上手に活用したTRM(友だち関係管理)技術と言えるでしょう。デジタルネイティブ、デジタルマーケティング世代の大学生には、こうした能力が本来的に備わっているのでしょうか。そうだとしたら、彼らが日本のマーケティング業界の将来が大いに楽しみです。
FUTUREは、東京広告協会の主催により、1995年に首都圏の大学でマーケティングを学ぶ学生たちが結成した大学生の意識調査のためのプロジェクトです。今回の調査は、青山学院大学、江戸川大学、駒澤大学、専修大学、千葉商科大学に在籍する1年から4年の大学生を対象に実施されました(サンプル数は1379)。企画、実施、分析はすべて学生が行っています。