米国のLGBT団体であるHuman Rights Campaign(ヒューマン・ライツ・キャンペーン、HRC)は、トランス女性が女性の定義にどのように当てはまるかをより明確に示している。彼らは「私たちが使う『女性』(woman)という言葉には、いつでも『トランス女性』も含まれています。それについて、『もし』『そして』『しかし』はありません。1人の女性の性自認(ジェンダーアイデンティティ)とは、『女性である』という心の奥底にある概念のことなのです。トランス女性の性自認は、自分が女性であることを定義したり、説明したりするものではなく、単に女性であることへ向かう表明なのです」と説明している。
残念ながら、ブラックバーン議員のようにこの定義に賛同しない人も多い。だからこそ、2022年になっても「女性」という言葉は物議を醸し続けているのだ。Pew Research(ピューリサーチ)の調査によると、米国の成人の10人に6人が、人の性別は出生時に割り当てられた性別によって決定されると考えている。
今年のニュースで「女性」の定義が問われたのは、最高裁の公聴会だけではない。2022年初頭、大学スポーツチームでは誰が女性にカテゴライズされるべきか、そしてペンシルバニア大学のトランス女性スイマー、リア・トーマスはその競技において生物学的に不当な優位性を持っているかといった問題が提起された。
リア・トーマス選手(Getty Images)
また性自認を語るべきではない(少なくとも学校では)という意見も見られた。たとえば3月、フロリダ州知事のロン・デサンティスは、幼稚園から3年生の教師が授業中に性自認や性的指向について話し合うことを禁じる法律に署名した。また、この法律は、教師が高学年の生徒にいえることを発達段階に応じたものに限定しているが、高学年の子どもに何が適していると考えられるかについては明記していない。
女性であることの意味について、対立する視点が残されていることは明らかだ。性自認に関連した検索に加えて、ロー対ウェイド判決を覆す連邦最高裁のドブス判決がリークされた後、そして判決が公式に発表(米国時間6月24日)された後にも、Dictionary.comでの「woman」の検索数が急増した。興味深いのは、これらの検索に伴って「自由」という言葉を調べる人も増えていることだ。
(forbes.com 原文)