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2022.12.16 13:00

「woman」が2022年の流行語大賞、辞書サイトで検索倍増

Dictionary.comが2022年の今年の言葉に「woman」を選出(Getty Images)

辞書サイトDictionary.comが2022年の言葉に選んだのは「woman(女性)」だった。Dictionary.comサイト上でのこの言葉の今年の検索数は昨年と比べて倍増している。後押ししたのは「女性であることの意味」に対する疑問だ。

Dictionary.comはこの単語の選出について「『woman』は英語の中で最も古い言葉の1つです。単に語彙というだけでなく、人間としての基礎を与えるものです。しかしこの言葉は同時に、個人にとっての重要性と社会的な議論の源であり続けている2022年の物語とは切り離せない単語なのです」と述べている

Dictionary.comの編集シニアディレクターであるジョン・ケリーは「2022年、『woman』という言葉の定義の問題そのものが、私たちの社会における多くの重大な瞬間、議論、決定の中心に置かれていました」と語る。

実際、3月に行われたケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事(黒人女性初の米国最高裁判事)の最高裁承認公聴会の最中、サイト上では「woman」という言葉の検索数が1400%以上急増した。具体的には、マーシャ・ブラックバーン上院議員が判事候補のジャクソンに「woman」の定義を尋ねた後に、検索数が急増したのだ。1400%の急増は「こんなに一般的な言葉としては大躍進だ」と評されている

ケタンジ・ブラウン・ジャクソン最高裁判事
ケタンジ・ブラウン・ジャクソン最高裁判事(Getty Images)

3月の公聴会でブラックバーン上院議員は、最高裁判事候補者に「『woman』という言葉の定義を教えていただけますか?」と質問した。

ジャクソン候補者は「無理です」と答えた。

ブラックバーン上院議員は「答えられないのですか?」と尋ねた。

これに対して、ジャクソン候補者は「このような場では無理です、私は生物学者ではありませんので」と応じた。

ブラックバーン上院議員は「womanという言葉の意味が不明確で論争の的になっているので、定義を答えられないのでしょうか?」と尋ねた。

Dictionary.comはプレスリリースで「この問題の重要性とそれが受けた注目は、トランスジェンダーのアイデンティティと権利の問題が、現在いかに頻繁に我々の国民的議論の最前線に登場するかを示しています。これまで以上に、私たちは誰が女性として(あるいは男性として、あるいはそのどちらでもないと)認識されるのかという問題に直面しています。これらの質問が伝える信条は、辞書の定義の重要性を超えて、人々の生活に直接影響を与えます」と、述べている。

それでもDictionary.comには「woman」の定義がいくつか掲載されている(動詞としても機能するようだ)。リストされている最初の意味は「大人の女性(female)」だ。同サイトの定義はトランスジェンダーに関する言及を避けているが「辞書は『女性』を定義する最後の拠り所ではありません」と声明を出している。この言葉は、それぞれの女性がどのように定義しようとも、1人1人のものなのだ。
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翻訳=酒匂寛

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