「持続可能な医療」を目指して
──複数のパイプラインを少数精鋭でR&Dしていく組織づくりについてお聞かせください。結論、社内完結だけでは難しいです。
不眠症の領域は私自身、専門性があるのである程度は出来ましたが、不眠症の病気ですら外部の先生方と協力しながら開発を進めてきました。
当然ながら、新分野でパイプラインを開発する際は外部の先生方、アカデミアの方々との連携が必要不可欠です。
ここで重要になってくるのは「患者に対して、何で貢献するのか」という共通観点を持つこと。サイエンスの細かな話はもちろん重要ですが、その大前提となる目的をすり合わせることがポイントだと思います。
──知財戦略で重要視されたことがあればお聞かせください。
知財はサービスを普及させるためのツールで、知財を確保することで事業としての普及を私たちが担わせていただくという感覚です。
この感覚をアカデミアの先生方にもご理解いただく必要があります。
もちろん研究観点ではさまざまな思いや関心がそれぞれありますが、サービスを普及させて「患者に対して貢献する」「持続可能な医療をつくる」という共通ゴールを達成することが大切であり、このゴールを共有することが知財コミュニケーションにおいても重要だと思います。
──最後に今後の御社のビジョン、戦略についてお聞かせください。
私たちの目標はあくまで「持続可能な医療」です。
ビジョンを実現する上で、不眠症の治療用アプリもその一つのピースではありますが、それだけに止まらず医療全体にとってインフラを提供することが大きなチャレンジだと思っています。
プラットフォーム事業、個別のDTxと普及のためのマーケティング、そしてDTxで生まれるデータの利活用と治療最適化。
DTxだけでなく、医薬品開発の治験効率化といった医療全体にまたがるインフラを提供することで、「持続可能な医療」に貢献したいと思います。