組織は「共感」で作る
──先ほどエンジニア採用について言及されましたが、いわゆるディープテック企業は赤字が続くなかで採用に苦戦する会社も多いです。どのような点を意識して人材採用してこられましたか?特にエンジニアであれば今は引く手あまたですので、やはり待遇面だけでは優秀な人材には来てもらえません。またすぐには結果が出にくい業態でもありますので、苦しい局面でも踏ん張れる人材であることが不可欠です。
そういった人材を採用するうえで一番重要なのは「社会課題を解決する」ことへの共感だと思っています。
私たちの場合は、医療業界の前例を疑い、時には省庁と連携して規制緩和まですることで治験や医療全体を変えていく。そんな桁違いの大きなインパクトの事業を一緒に作れることを訴求してきました。
ディープテックの価値は事業によって社会課題を解決できる所だと思いますので「この社会課題は私たちじゃないと解決できない」という部分をしっかり訴求することに尽きるのではないかと思っています。
──組織づくりに関してお聞かせください。採用後、オンボーディングで意識されていることはありますか?
もちろん各部署でオンボーディングはしていますが、部署を超えた取り組みを進めていて、そこがメンバーにとっても面白いポイントかなと思います。
例えばエンジニアも、プロダクトを作ってユーザーが使って終わりではありません。それを臨床開発の試験メンバーや医療現場の先生方とコミュニケーションしながら実際に検証を進めていく部分を見せるようにしています。
部署を超えた連携の機会を見せることが、ひいては仕事の面白さに繋がってくると考えています。
──ディープテック企業では短期的な業績などでは人事評価をしづらい側面があるかと思います。
当社も人事評価に関してはボードメンバーが直接しています。
おっしゃる通りディープテックは簡単に数字が作れるわけでもないし、成果が出てくるのに時間がかかります。
そんななかでチャレンジを推奨していくためにはビジョン・ミッションや行動指針にフィットした行動が取れているかといった定性的目標を重視していくことが大切だと思っています。