同研究はさらに、搾取的エンタイトルメントの人々、すなわち「自分にとって当然のものを得るために他人のように努力する必要はない」といった考えに肯定的反応を示すような人々は、心理的操作、無責任、および無神経な行動に走る傾向が強いことを発見した。彼らはまた、社会全体の関心事を重要ではないと考えていた。
2. 非搾取的エンタイトルメント
同研究によると、非搾取的エンタイトルメントは、強い自尊心と自己肯定感に根ざしている。搾取的エンタイトルメントとは対照的に、そこに自分を他人より特別に、あるいはよく扱って欲しいという期待はない。
非搾取的なエンタイトルメント感情を持つ人々は、強い労働意識を示し「自分には欲しいものを得る権利がある、なぜならそのために必要な努力を尽くすつもりがあるからだ」と考えている可能性を示唆した。
非搾取的エンタイトルメントの被験者は、たとえば「自分は生きていく中で最高の物を手に入れる権利がある」といった主張に同意する傾向は高かったが、欲しい物を得るために他人が協力すべきだったとは必ずしも考えていなかった。
このように、非搾取的エンタイトルメント感情の強い人々は、上方社会的比較(自分より優れている人々と自分を比べる)や、仲間に腹を立てるといった破滅的思考パターンに陥る危険性が、搾取的エンタイトルメント感情の人々よりも低い。非搾取的エンタイトルメントは、健全な育児の産物であり、若者たちが大人へと変わるための強力な架け橋になりうる。
健全であり意欲の源になる
何かに対して「エンタイトルメントな感情」を持つことに、本質的問題は何もないことを同研究は示している。実際、エンタイトルメントは健全であり意欲の源にもなる。たとえば、職場で自分には昇進する資格があると感じることで、そのために一層の努力を尽くす意欲が湧く。恋愛関係がうまくいくエンタイトルメントも同様だ。自分に幸せで健全なパートナーシップを結ぶ資格があると信じていれば、そのために必要な努力を費やす可能性は高くなる。
エンタイトルメントは、それが良識と客観性のある自己肯定感に根づいているものなら、驚くほど役に立つ資質になりうるだろう。
(forbes.com 原文)