心理学者が教えるあなたの「先延ばし」ぐせを治す方法

先延ばしは性格的な欠陥ではない。自分の弱さを深く知るためのチャンスになるかもしれない(Getty Images)

あなたの害のない先延ばしぐせが、抑えきれない衝動強迫へと変わる瞬間を認識することはときとして難しい。

最近以下のような質問を自分に問いかけたことのある人は、自分の先延ばしぐせを顕微鏡で覗いてみる必要があるかもしれない。

・なぜTo Doリストの項目を1つもチェックできないのだろう?
・なぜ私の毎日がどこへ向かっているのかいつもわからないのだろう?
・誰もが自分と同じように1日の終りに挫折感を味わっているのだろうか?
・なぜ私は繰り返し自分をストレスの多い状況に追い込んでいるのだろう?
・なぜ私は、利益になるとわかっても前もって計画を立てられないのだろう?

有効な治療方法を知るためには、問題の根源を理解する必要がある。先延ばしは「怠け癖」として片づけられることが多いが、多くの場合、その根っこには恐怖、恥ずかしさ、恨みさらには負の自己意識がある。

以下に、人それぞれの先延ばしぐせについて何が原因なのか、どうすれば解決できるのか、その方法を3つ紹介する。

#1. 完璧主義者


なぜタイプA行動様式を自称する人たちが、時々輝きを失ってしまうのか不思議に思ったことはないだろうか。なぜ完璧主義者は、ごく基本的な仕事を迷いなく遂行できないことがあるのだろう?

これは、プロセスとしての完璧主義に失敗や緩やかな進展、あるいは実験をする余地がないからだ。完璧主義は学習曲線を許さない。完璧主義の不可能な要求は、人生を地獄のように感じさせることがあり、先延ばしを安全な避難場所のように感じさせる。

ある研究によると、完璧主義に起因する先延ばしは、長期的にその人の生活満足度のレベルにマイナスの影響を与えることがある。

つまり先延ばしと完璧は、同じ回路の2つのノードだ。完璧主義の先延ばしは、自らを尊敬とセルフコンパッションで治療することによってのみこの回路を断ち切ることができる。ゴールに向かって一歩ずつ前進し、ささやかな成功を祝福することで、失敗を恐れるあまり先送りする衝動を防ぐことができる。

毎日良くなっていくための旅は、即座に最高になるという不合理な期待より、はるかに有益だ。

#2. 自己破壊


自己破壊は不確実さと変化、さらにはそれゆえにそれを回避するための先延ばしに向かう容赦ない不快感をもたらす。ほとんどの場合、それは自分が安全地帯から外へ出るのを避けるためであり、成長し成功する機会を奪ってしまう。

このシナリオで、先延ばしは自己鎮痛技法になる。挑戦も威嚇もしない安心をくれる毛布のような心地よい行為だ。自己破壊は、重要でより緊急な仕事を遅らせることの痛みを和らげるための「生産的先延ばし」に没頭させる(たとえば部屋を片付けるためにセラピー・セッションの日程を変更する)。
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翻訳=高橋信夫

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