心理学者が教えるあなたの「先延ばし」ぐせを治す方法

先延ばしは性格的な欠陥ではない。自分の弱さを深く知るためのチャンスになるかもしれない(Getty Images)


破壊型先延ばし屋の自業自得の被害者意識は、未知への漠然とした恐怖から来る。これに対する解毒剤は透明さの中に存在する。賭け金も探究の成果も不明瞭な時、忌避は容易だ。

今度自分の安心のために仕事を先延ばししようとしていることに気づいたら、以下の質問を自分に尋ねてみよう。

・今自分が下そうとしている決定の機会費用はいくらか?
・何かを無制限に先延ばしする時、いったい私は何から自分を守っているのか?
・自分が経験しようとしているのは一時的な成長の痛みなのか、それとも停滞の永遠の痛みなのか

自らの行動を観察し疑いをもち、自分の核となる信念と思考パターンに挑戦することで、先送りの習慣は少しずつ穏やかに消えていくはずだ。

行動パターンを変えるために思考パターンを変えるという手法は、認知行動療法(CBT)に由来するもので、先延ばしの措置に効果があることが証明されている評判の良い心理学的介入であると、Behavior Therapy誌に掲載された研究が報告している。

#3. アドレナリン中毒


もしあなたが「ストレスのあるときが最もうまくいく」という理由で、あらゆるプロジェクトを土壇場になるまで放置しているなら、先延ばしアドレナリン中毒派に分類される可能性が高い。土壇場のストレスが快感だからこれをやる人もいれば、自分たちの行動の結果がリアルに感じられる時だからという人もいる。

これは特に見えにくい形態の先延ばしだ。なぜなら多くの場合にアドレナリン中毒者は、結局意図していた仕事や行動を完結してしまうからだ。その代償は、彼らの仕事の質に、そしてもっと重要なことに、彼らのメンタルヘルスと身体的健康への傷となって現れる。

このタイプの先延ばしの根源は個人の性格、より正確には個人の衝動性への傾向にあることが多い。

Personality and Individual Differencesに掲載された研究によると、期限ぎりぎりに行動を起こす人々は、概して誠実性が低く、気分や短期的な欲望に影響されやすい。自己規制は誠実さの重要な特性であり、先延ばしは本質的に自己規制の失敗だ。

アドレナリン中毒の解決は、決定的瞬間にPause(ポーズ)ボタンを押し、自分たちの置かれた状況の重大さに対処することにかかっている。これはしばしば、生活記録、瞑想、あるいは自分に責任を課している人と話すことを通じてマインドフルネスを実践することで効果的に達成できる。

先延ばしは、小さいけれど対処しないでおくと山になってしまうモグラ塚だ。習慣の生き物である人間として、私たちは自分が作ったり壊したりする習慣について真剣に考えることが重要だ。なぜなら、それは人生を組み立てるブロックなのだから。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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