「不安解消?創造性を高める?」心理学者が覆す大麻にまつわる3つの神話

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多くの人がマリファナとの不健全な関係を心配してセラピーにやってくる。その人たちはこんな質問をする。

・吸わない日はとても不安で友達や家族から孤立しているように感じます。マリファナと何か関係ありますか?
・ハイにならないと食べ物がおいしく感じません。なぜこんなことが起きるのでしょう?
・心配になるほどマリファナにお金を使うようになりました。どうすれば抑えることができますか?
・かつてはクリエイティブになるためにハイになっていました。最近は、ハイになるたびに、無気力になり何かを創造する気になりません。どうすれば意欲を取り戻せるでしょう?
・ハイにならないと眠れない気がします。寝る前に吸ったり口にしたりするのはいけないことですか?

現在、米国の19の州で娯楽用マリファナが合法化されており、米国の10代後半の約半数が大麻の使用者だ。娯楽利用を巡る汚名が崩壊し始めている中、マリファナを使用することのメンタルヘルスへの影響について話すことが重要だ。

マリファナに含まれている主要な精神活性物質であるカンナビノイド(THCおよびCBD)は中毒性がある。これらの化合物は人間の脳や体と複雑な化学反応を起こし、喜びや安心や幸福の感情を誘発する。こうしたプラスの効果とともに、マリファナは不安や妄想といったマイナスの感情も引き起こす。

何でもそうだが、適度な使用がマリファナとの健全な関係を維持する鍵だ。マリファナと健全な関係を保つために、信じてはならない神話を3つ紹介する。

神話その1:マリファナはメンタルヘルスに悪影響がない


マリファナを使用中のTHC濃度増加は科学的には明らかだ。医療メディア『The Lancet』に掲載された最近の研究は、この効力の増加が、数多くの深刻なメンタルヘルスリスクをマリファナ使用者にもたらすと報告している。

同研究は、効果の強い大麻の使用は、効果の弱い大麻と比較して、中毒になる可能性が4倍増えることを発見した。この結果は、現実世界の大麻中毒治療の傾向と一致している。過去10年間に、治療例は76%増加している。CDC(米国疾病管理予防センター)の予測によると、米国の全マリファナ使用者の約30%が、大麻使用障害の基準に達している。

さらに、強力な大麻を使用している人は、幻覚や妄想を特徴とする深刻なメンタルヘルス疾患である大麻誘発性精神病を発症するリスクが高いことがわかっている。

この研究では、強力なマリファナの慢性使用が、うつ症状および不安の悪化の増加につながる証拠も見つかっている。
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翻訳=高橋信夫

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