ビジネス

2022.12.01

Z世代が食料品店のソーシャルにおける在り方改革に与えた影響

Unsplash

消費者の食料品店での滞在時間は、パンデミックのピーク時と比べて短くなっている。食料品小売業者やブランドは、消費者にリーチするためにソーシャルメディアプラットフォームに目を向けた。

オンライン食料品店の買い物客は熱心なソーシャルメディアユーザーだ。そして、Z世代が最も多く利用している。ユーロモニター・インターナショナルの「2022ボイス・オブ・コンシューマー:デジタル・サーベイ」によると、食品・飲料のオンラインショッピングをする人々は、より頻繁にソーシャルメディアアプリを使用している。

YouTube(ユーチューブ)、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)は、食品と飲料のオンライン買い物客の間でトップのソーシャルプラットフォームだ。しかし、この傾向は以上のプラットフォームに限らず、主要なプラットフォームで共通している。

食料品店はどのようにソーシャルメディアを利用しているか


ソーシャルコマースは、消費者とブランドとの関わり方を変え続けている。テキサス州に本拠を置く食料品チェーンH-E-B(エイチイービー)は、2020年にZoom(ズーム)で毎週インタラクティブな料理教室を開始し、後にライブストリーミング機能を追加された時にFacebookに移行した。このシリーズでは地元のシェフが登場し、視聴者は各放送で使用されたH-E-Bの製品をシェフが使っているボウルに至るまで購入することができるようになっている。

Albertsons(アルバートソンズ)は、Pinterest(ピンタレスト)の技術を活用し、検索や購入履歴に基づいて買い物客に料理を勧めている。また、同社は従業員をインフルエンサーとして位置づけ、ウェブサイトに買い物できる動画を追加している。これらの動きは、消費者とのエンゲージメントを促進し、ソーシャルコマースに参入するための食料品店の戦略の一部だ。

ソーシャルコマースは、eコマース市場の成長を上回る勢いで急成長している。ユーロモニターの新しいデータによると、ソーシャルコマースは2022年にはeコマース全体の3%から、2027年には推定6%に拡大すると言われている。今年、ソーシャルコマースの市場規模は2500億ドル(約34兆円)近くに達し、2027年には7000億ドル(約97兆円)を超えると予想されている。

しかし、成功する戦略は、これらのプラットフォームを買い物しやすいものにするだけではない。ユーロモニターによると、食品と飲料をオンラインで購入した人のうち、ソーシャル・プラットフォーム経由で購入したことがある人はわずか34%に過ぎない。

それは、ソーシャルコマースが、忠実な買い物客のオンラインコミュニティを構築することでもあるからだ。ソーシャルチャンネルは、多くの買い物客が新製品やレシピ、さらには食料品店のウェブサイトを発見する方法だ。つまり、Z世代の購買力を獲得したいのであれば、ソーシャルメディアが答えとなる。
次ページ > 次世代の買い物客にアプローチする

翻訳=上西 雄太

ForbesBrandVoice

人気記事